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666文字異聞/女勇者りったんが行くシリーズ

666文字異聞/女勇者りったんが行く2〜転職するのよ!

作者: ネコにゃん


 あるとき、りったんは気づきました。

「勇者って、ぜんぜん魔法を覚えないのね」

 今まで彼女が覚えた呪文といえば、トロン(ゆで卵が半熟になる)とバレテーラ(ストッキングの伝線をごまかせる)だけです。なので勇者仲間はいったん魔術師などへ転職して魔法の修行をするらしいのです。でもりったんは天然のドジっ子なので、レベル百を超えてからようやくその事に気づきました。

「よし、転職しよう」

 りったんは、若づくりして市役所へと向かいました。

 転職課の窓口へ行くと、お役人にまずこう言われました。

「一階の売店で申請書類を買ってきてください」

 売店で一万円取られました。

「買ってきたけど、どうやって書くの?」

「同じ売店に、書き方のお手本も売ってますよ」

 さらに一万円取られました。

「これ読んでも、さっぱり分かんない」

「おバカですね、じゃあ二階に代書屋があります」

 今度は二万円取られました。もうお財布は空っぽです。

「やっと書けました」

「ではここに十万円分の登記印紙を貼ってください」

「えーっ」

 りったんは、老後のために蓄えた貯金をおろして印紙を貼りました。

「貼りました……ぐすん」

「あと、勇者税の納税証明書を添付してください」

「……あの、勇者税ってなんですか?」

「はあ?」

 お役人の顔色が変わりました。

「あなた、まさか……税金納めてないとか?」

「はい」

 りったんは笑顔全開で言いました。

 とたんに防犯ベルが鳴り、屈強なガードマンがりったんを取り押さえます。

「太てぇ女だ、税務署へ突き出してやる!」

「きゃーっ」

 その後、りったんはシベリア送りになりましたとさ。

 めでたしめでたし。




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― 新着の感想 ―
[一言] こんばんは。 666文字異聞「女勇者りったんがいく」と合わせて感想送らせていただこうかな、と(笑) 前作もまた驚異的な展開でしたが、こちらの作品も更に驚異的でございますね(笑) RPG…
[一言] 復活記念に感想でもと思ったらコレだよっ。 うん、何か凄い話でした。 とりあえず最後の「太てぇ女」というのが悪意のない発言であることをひたすらにお祈りしております。 それではまた
[一言] 面白くも何ともねえじゃねえか! 座布団全部取り上げろ!(と三波伸介風に)。
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