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ぼんやり令嬢は姉に遊ばれるそうです

更新大分間が空いて申し訳ないです・・・。

「今回はありがとうございます」


 社交シーズンが始まり、まず初めに向かったのは、お姉ちゃん家、もといディルフィニウム侯爵家のティーパーティーだった。

 何度か訪れているが、相変わらず華やかで、それでいてギラギラしていない。

 けれど流行にかなり敏感なお姉ちゃんらしく、セッティングされたもの一つ一つにセンスを感じる。


 どれを見ても、洗練されているのと同時に高額なのを見て少し驚いてしまったが、多分お姉ちゃんは気にしてなさそうだ。


「あら、これはフルストゥル嬢」 


「ジュリア様、ごきげんよう」


 「覚えててくれてたんですね」


 「お姉さまの大事な友人ですから」


  世辞ではなく心からそういうと、ジュリア様はそれをすんなり受け入れてくれ笑顔で頷いた。

 その笑顔は大輪の花のようで可愛らしく思わずこちらも笑顔になってしまった。


 「ありがとうございます。全く、ツーイが羨ましいわこんな可愛い妹がいるなんて」


 「でしょうでもあげないからね~」


 「お?」


 いたずらな声色でお姉さまが後ろから現れると、ジュリア様は嬉しそうな表情を浮かべた。


 「ツーイ、久しぶりね」


 「リアも元気そうで良かったわ」


 ……なるほど、ここがお花畑かな?なんかいい匂いするし……うん、多分お花畑だ。

 私が一人でゆっくり目を閉じながら頷いていると、それにきづかないまま会話に華を咲かせていた。


 「でもツーイ、フルストゥル嬢はすごいわね今や、王女のお気に入りですもの」


 「えぇ、私も驚きよそういえばどうやって知り合ったの?」


 お姉ちゃんがそういえば聞いてなかったかも?と首を傾げるとジュリア様だけでなく、ニーチェさんやリヒャルト様もがくっとした。


 「いや、聞いてないのか?」


 「え?手紙くれたから侍女見習いになったのは分かってたけど経緯までは詳しく聞いてないけど?」


 悪気なく言うお姉さまに、リヒャルト様は首を横に振った。


 「いやいや気にならなかったのか?」


 「悪いことしているわけじゃないし?まぁ王都の学院に入るくらいだもの、あらうちの妹って優秀ねぇくらいにしか思わなかったわよ?」


 「あぁ、そうねツーイはそういうタイプよね」


 ジュリア様はよくシャロがやるようにまったくと溜息をつき、リヒャルト様は困ったような笑顔を浮かべている。


 「確かに、王立学院のしかも王太子と同じクラスだなんて、優秀に決まっているもんな」


 「それはそうよ」


 どこか得意げなお姉さまの横で、そうなのかなぁ?なんか私の入学には侯爵家が関わってたみたいだし、お母様だって「フルストゥルが受かるんだったら誰でも受かるわね」って言ってたけど……と首を傾げているとリヒャルト様はそんな私の様子を怪訝に思ったようで、私に話しかけた。


 「どうしてそんな不思議そうな表情なんだ?すごいことなんだが」


 「フルルは謙虚だからな」


 「あら、ニィリエ君」


 「ご招待ありがとうございます。ディルフィニウム侯爵夫人」


 「あらあらツーイお姉ちゃんでいいのよ?」


 「えっと……どういう距離感です?」


 確かに、元婚約者にもそんなこと言ってなかったのに……もしかして、お姉ちゃんかなりニーチェさんのこと気に入ってる?まぁ、かなり出世してるし……目くじらを立てられるよりは全然いいんだけど……何故か胸がもやもやする気がしたような?

 うーん、久しぶりの社交で疲れているのかな?


 「ふふ、冗談よ案外そういう顔もできるのねぇ」


 「こらこら妹の婚約者をからかうんじゃないよツーイ」


 「ごめんねぇついつい」


 「いえいえ」


 その後、主役の登場までわきあいあいと歓談を楽しむのだった。

いつも読んでくれてる皆様、初見の方閲覧ありがとうございます。

いいね、評価してくれる方本当にありがとうございますとてもモチベーション向上につながっております。


お暇なとき気軽な気持ちで評価、ブクマ等していただけたら幸いです。

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