ぼんやり令嬢は少し腹黒いそうです
全然筆が進まない日々が続いております。
カメのような歩みですが気長に待ってもらえたら幸いです。
「フルル、お疲れ遅くなってごめんな?」
少ししてから、ニーチェさんが慌てた様子で現れてその表情はとても急いでくれていたのがすぐわかり、なんだかうれしい気持ちになったのと同時に、額に汗が浮いているのが目に入り、ハンカチでぬぐった。
「ニーチェさん、こちらこそありがとうございます」
「あ……あぁ、ありがとうフルル」
「いえいえ、お仕事忙しいのにすいません」
「あ、ありがとう」
いやぁ、忙しいのに本当に申し訳ないなぁという思いがこみ上げてきたが、それを知らないお姉ちゃんがにこにこと嬉しそうに告げた。
「仲良しねぇ」
……違うのよお姉ちゃん。
せめて汗でも拭かないと罪悪感が拭えないだけなのよ……。
表面上には出さないけど、ニーチェさん信じられない程仕事多いんだよねぇ……。
私だったら気が狂っちゃうほどの仕事量だもんなぁ……。
「あぁ、君が王女の右腕かぁ」
「覚えていただいて光栄です。ディルフィニウム侯爵」
「リヒャルトでいいよ。何事も無ければ僕らは義兄弟になるんだし」
……何事も、ってところに少しだけぐさりと……いやぁ、私が原因ではないけど……うーん、いやでも私にも原因はあるしなぁ……
「ありがとうございます……ではリヒャルト様と」
「うんうん、君のことは有名だよ。君の同年代の中では一番の出世頭だって」
「そんなことないですよ。そんなこと言ったらリヒャルト様こそディルフィニウム侯爵家を一気に発展させた立役者と名高いですよ」
おぉ、大人の会話だぁと笑顔のまま固まっていると、私よりも朗らかな笑顔でお姉ちゃんが口を開いた。
「まぁまぁ美しい褒めあいはいーからいーから」
そうして、ほぼ無理やり会話を切った後、ノージュさんに促され、リーセ様のドレスを選ぶことになった。
「困ったわねぇ」
「困りましたねぇ」
数十分後、ノージュさんとお姉さまが同時に困ったような笑みを浮かべるのを見て、リーセ様には申し訳ないが同様の表情を浮かべてしまった。
「そうですねぇ……」
「あの私何か……」
「どうしたんだ?」
戸惑うリーセ様と頭を悩ませている私の間に自然にニーチェさんが入ってきたが不思議かな、あまりにも自然すぎて何にも違和感を感じなかった。
相変わらず距離の取り方上手すぎかな?
「リーセ様が美しすぎてドレスの候補が絞れないんですよ」
「大変じゃないか」
「でしょう?」
「そうねぇ」
「何かいい案ある?母さん」
「ロゼットロア公爵令嬢、同年代の上位貴族のドレスは最近どういうのが流行ってるかしら」
「そうですね……少し前に流行ったアギラ風の衣装の流れから、光沢のある布地で作られたドレスが流行ってましたけど……最近はその流れもありながらも淡いグリーンやピンクなどの色味が流行ってますね。形はふんわりというよりかはすっきりとしたもので、フリルより刺繍で華やかさを演出しているようなものが多いです」
「へー」
シャロって物知りだなぁーという思いでそう口に出すと、シャロがおいおいといつものように頭を抱えた。
「いや、他人事みたいにしないの」
一応、令嬢でしょうがとたしなめられてる横で、一瞬にこりとした後にお姉ちゃんはリーセ様の方を向いた。
「なるほど……ありがとうございます。それならすぐに考えられますね……ドミートリィ伯爵令嬢は好きな色とかありますか?」
「え?好きな色……ですか?」
「せっかくのデビューですもの好きな色の方が気分が上がるでしょう?」
お姉ちゃんのごく普通の言葉に、そういったことをあまりにも聞かれなれてなかったからだろうかぽかんとした表情でリーセ様は固まっていた。
「あ、というかリーセ様のパートナーどうします?」
確かに、ドミートリィ伯爵家のご子息はいるにはいるけど確かもう婚約者いるしなぁ……と考えていると、フェヴローニヤ様も同じことを考えていたようで、困ったように首を傾げた。
「ジィドでいいんじゃない?なんやかんや一番おさまりがいいでしょう?」
「お兄様かぁ~」
お兄様には婚約者いないし、そういった浮いた話も聞かないけど大丈夫なのかなぁ?とお姉ちゃんと目を合わせるとあまり私に見せない
「それにジィドなら私の言うこと聞くじゃない?」
「あぁ……」
哀れ、お兄様と思った矢先まぁお兄様がダメなら伯父様に頼むか……と思ってしまう私も容赦がないなぁと思うのだった。
いつも読んでくれてる皆様、初見の方閲覧ありがとうございます。
いいね、評価してくれる方本当にありがとうございますとてもモチベーション向上につながっております。
お暇なとき気軽な気持ちで評価、ブクマ等していただけたら幸いです。




