強気な公爵令嬢の雑草駆除。(シャルロット視点)
今回はシャルロット視点です、どうやって友達になったかの話を書きたいと言っていましたがすいません今回は話の流れを優先し視点違いのみになってしまいました。
期待してくれた方々申し訳ありません
でも絶対に友達になったきっかけの話はかきますので待っていただけるとありがたいです。
「シャロ、よくそんなに証拠持ってたね?」
「万が一に備えてね」
「へぇー」
シャロと教室に戻りながら、そんな会話をする。
当たり前といえば当たり前だが、彼女らの、暴言や、不貞行為を増長させるような言動に関して、フルストゥル自身はあまり傷ついてはなく、寧ろ当時から。
「まぁ、お似合いだし別に……」
「正式に手順踏んでくれれば」
程度にしか思っていなかったが、正直、私は、はらわたが煮えくり返る思いだった。
正規の婚約者である、フルストゥルを差し置いて、夜会で堂々と正妻顔をしたことも。
あのぼんくら相手に、あれこれ強請ったり、本来ブランデンブルク侯爵家が、婚約者のために用意した、侯爵様が認めたものしか乗れない車に、平気で乗ったり、フルストゥルを見たら見たらであのぼんくらに。
「幸が薄そうで陰気で辛気臭そうな子」
「公爵令嬢の取り巻き風情」
……なんて言っていて癖に、今更罰を軽くするためだけの謝罪なんて、浅ましいにもほどがある。
私は、フルストゥルほど甘くはない。
今まで放置してやったのは、そういったことをしたら、あの馬鹿侯爵子息に、フルストゥルが狙われかねないからだ。
でも今、彼は謹慎中、たとえ戻ってきたとしても、彼の取り巻きはほとんどいないだろうし、周囲、から失望の眼差しでみられることは、間違いないだろう。
フルストゥルは、優しいのではなく、他人や噂に関して驚くほど無関心だ。
だから、知ったとしても、すこし驚く程度で、むしろ相手に同情し、多くの罰を望まない性格だ。
正直最近は忙しいからそれどころではない。
そもそも、罰すらも望んでないかもしれない。
あのこはそういう子だ。
現に、マリアンに殴られそうになっても、びっくりしたぁ、程度。
泣いたり、怒ったりすることもなく、そこに関しては、もう少ししっかりしなさい、とフルルに怒りたくなるくらいだった。
このこ、しっかりしてるようで、学院に入るまでほとんど領地で過ごしていたからか、結構のんびりしてるし、他人の悪意や害意に対しても、まぁそういうものか、と受け流してしまう傾向にあるからなぁ。
逆に私は、敵意や害意に敏感だし、負けん気が強いからか、そういったものが流せないし、許せない。
しかも今回、大事な大事な親友が、こんな品性の欠片もない成金風情なんかに侮蔑されていたのだ。
許せという方が、無理な話だろう。
そんな私の思いとは裏腹に、当の本人は
「シャロ なんか怖い顔してるけど大丈夫?チョコ食べる?」
「いらないわよー」
とあくまでも通常運転、いや解放感からか、かなりのんびりに磨きがかかっていた。
そっかぁ、とのんびり答えるフルルの背後から、よく見知った男性が声をかけてきた。
「よ、嬢ちゃん迎えに来たよ」
「ニーチェさん、待たせちゃいました?」
「ううん、ちょろっと早く仕事が落ち着いたからな」
はた目から見ると、兄と妹のように、和やかな雰囲気の二人を隣で見ながら、というよりは、男性相手に緊張していないフルルをみて、安心しつつニーチェさんに向き直った。
「ニーチェさん、うちのフルルをお願いしますね」
「はいよ、じゃあ行こうか」
「シャロ~明日ねぇ~」
「はいはい、前見て歩きなさいよ~」
ゆっくりのんびりとした口調に、あてられ、こっちも、のほほんといった調子で答えたあと。風にかきけされそうなこえで呟く。
「さぁてと……」
このあと、どう転ぶのかなあの女たちは、とフルストゥルの前では、見せられないようなあくどい笑顔を、ついつい浮かべてしまった。
彼女たちがしたことと、その証拠をベルバニア伯爵家に送ってあるし、それに関しては伯爵が沙汰を下すのはわかりきっている。
私が蒔いた噂と、マリアンの証言のおかげで、彼女らは今、肩身の狭い思いをしてるであろう。
母と一緒に出席した様々な集まりで、ここだけの話、と色んな方々にそっと耳打ちをしたことによって、面白いほどに噂は広がった。
なおかつ、父の友人らに、すこし泣いた演技も混ぜながら、親友を傷つけられたと吹き込めば、元々、一部の新興派を快く思ってなかった彼ら、はあっけなく手のひらを反すこととなった。
その結果、簡単に権力という波に彼女らは揉まれ、
社交界で居場所を失くし、家業にも名誉にも、大きな傷がつくことは間違いない。
実は、私が今からすることは何にもない。
きっと、今日の夜会には、ベルバニア伯爵夫妻も、ツィリアーデ侯爵夫人も出席する。
影響力の高い二人が、すこし話すだけでどうなるか、薄々予想はつく。
まぁ、邪魔な新興派閥の一部は、小さくなってさぞ、お父様も仕事がしやすくなるんじゃないかしら?
結構ずさんな仕事だったり、あこぎなことしてたみたいだしね。
「シャルロットのお陰でだいぶうちの庭もきれいになりそうだ」
「シャルロットは枝の剪定が上手だな」
「よかったわぁ、邪魔は少ない方がいいもの、役に立てたならよかったわ」
なんて、家族で仲良く談笑していたら、親戚類に、ロゼットロア公爵家には逆らわない方がいい、当主や小公爵のことは知っていたが令嬢も侮れない。
末恐ろしい一族だ、なんて大袈裟に怖がられちゃったけど、まぁ、なめられるよりかはいいでしょう。
そうして、一週間もしないうちに、いろんなことが、あっけなく思えるくらい転がって言った末に、彼女らはあろうことか、フルストゥルに直談判をしに行ったらしい。
もう、やめるようお願いしてください、と泣きついたものの、私が何をしたのかも、そもそも、何が起きているのかさえも知らないフルルが。
「えっと……何をでしょうか?」
「え……?」
「あ、もしかしてアイン様の側仕え見習いの話でしょうか?……それはちょっと……ニーチェさんに聞かないとわからなくて、すいません。」
と、返された彼女らの顔は傑作だった。
思わず、大声をあげて笑ってしまいそうになった。
彼女たちは、フルストゥルが一言、私に言えば終るとおもってるみたいだけど、本当にこの子は他人に対しての関心が無いため、誰だろうあの人たちとしかおもってない。
それに、社交界にもあまり顔を出さないため、彼女らがどうなってるのかすら知らないし興味もない。
「シャロ、なんかしてくれたみたいだけど、大丈夫?いやなこととかされてない?」
私のためだったら、本当に大丈夫だよ。と私の心配はするものの、彼女らへの心配はあまりしてなかった。
まぁ誰だって、知らない人のことなんて気にもとめないから、当たり前なのだといえば、当たり前だ。
「私も人間だからね、マリアン様みたいに、ただの恋心の暴走なら可愛いものだけど、彼女たちは、悪意に満ちていたからね」
そこまで言いながら、少し深呼吸をしたあとに、フルルは淡々と呟いた。
「流石に、擁護する気も起きないというか、なんか庇うのも違うよね?」
「当たり前じゃない」
マリアンは、レヴィエにもう破綻寸前だ、本当に好きなのは君だけだ。
そう、うそぶかれて、堂々とフルストゥルと対峙した。
その時に、いざこざはあったものの、彼女は、周囲にフルストゥルの悪評を言いふらしたわけでも、侮蔑をしたわけでもない。
なんなら、レヴィエが隠していたせいか、途中までは婚約者の存在すら知らなかった。
けれど彼女らは違う、婚約者がだれかを知ったうえで、婚約者の立場というものを、危うくさせる行動を多くとったり、周囲に、自分こそが次期侯爵夫人だと言いふらしたり、それはもう散々だった。
「何にせよ、そういう、褒められた行為でないことで手に入れたものって、あっけなく壊れるからね」
「……フルルって、たまに人生何回目って、聞きたくなること言うわよね。」
「そうかなぁ」
「まぁそういうところ好きだけどね?」
「大丈夫?結婚する?」
「しないわよ~」
いつものやりとりをしながら、大事な友人の道に生い茂る雑草たちを、排除できたことに、満足するのであった。
明日も0:00更新です。
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