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ぼんやり令嬢はコテージに着くそうです

案内された赤い屋根がかわいらしい、まるで童話に出てきそうなコテージの中は、アイボリーとブラウンを基調としているせいか温かみと可愛らしさ、そして目の錯覚か広さを感じぽかんとしていたが、ぐるっと探索してみると、共通の広間以外は男女で別れており、ほっとした気持ちがそのまま口からこぼれ出た。


 「よかったぁ流石に男女で中は別なんですね」


 「私がいうのもあれだけど、ギャラン様と同じ班でそんなこと言う女子って少数派だからね?」


「えぇ何で?」


 安心でしょうよ?確かに男女が一つ屋根の下ですけども……と思いシャロの方を向くと、何でって……と頭を抱えるシャロの横で、リーセ様もうーんと首を傾げていた。


「王室にそこまで入りたいものなんですかねぇ……責任大分ありますけど……」


 流石、元皇后、その責任が大分重いことがわかっているせいか、心底不思議そうに首をかしげていた。

 責任もあるのに、伴侶はアレだし、親もアレだったイブリス皇后時代を思い返したのか、その表情はやや暗かった。


 少し空気が重く感じたが、シャロがその空気をかきけすように、その疑問に答えた。


「そこまで深く考えてないんじゃない?あと、シンプルにギャラン様って顔ヨシ、性格ヨシ、家柄は言わずもがなそりゃモテるでしょうよ」


「そっかぁ」


 確かにギャラン様に足りないものなんてないしなぁ……強いて言えば親近感?でも気さくだしなぁ……。

 

 でも、結婚出来たらなんとアイン様が義姉になるし……それはうらやましいかも?


「まぁ、フルルは常に婚約者がいる状態だから、あまりそういう目で見たことも無いでしょうけど」


 「うん、全く、これっぽっちも」


 私なんかがそんな目で見るなんて恐れ多い。

 

 確かに基本婚約者の家柄は、国内では伯爵家以上とはいえ、じゃあ私もお眼鏡に叶うかも?なんて思うはずもなく


どちらかといえばいうてもキャシャラトって色んな国と友好関係があるし、貿易だのなんだのしてるし、国外の方もあるんじゃない?とか、そもそも伯爵家の中でも格が高いわけでもないしなぁ。

 

 あと、何回も思い返すも私は幼いころから婚約者がいたせいか、長年ギャラン様のことは芸術品?ないしは国宝という認識だったせいかそういう対象に見たことも無いし……。


 今年から割と隣の席で話すようにはなったけど、そこから恋、とかなんだかそういうものになるわけでもなく……。

 というかまだその頃、一応婚約者いましたしね。

 

 アイン様やニーチェさんと多く関わるようになってからは、アイン様の弟っていう認識のがつよくなっていったしなぁ。

 ときめかないんだよなぁ~身分違い過ぎてぇ……と、自己分析をしているとギャラン様がため息を吐いた。


 「ちょっと自信なくすからそこまで即答するのやめてくれないか?」


 「わかりました。五秒ほど待ちます」


 「いや、うん、ありがとうな?」


 そうは言ったけど、ちょっと違うんだけどなぁと笑うギャラン様の後ろでは、相変わらずだなぁと言いたげにバーナード様が肩をがくっとおろしており、同じ班の男子生徒は何かがツボに入ったのか声を潜めて笑っていた。


 「笑えるようなこと言ったかなぁ」


 「いや、切り替えがすごくて……というかこれっぽちもって……」


 「うーん、殿下に魅力がないとかじゃなくて……芸術作品に対してそういう風には……」


 「俺人間とも思われてないってこと?」


 「どちらかというと神に限りなく近い人間みたいな?」


 そのやり取りに、男子生徒も何かわかるかもと頷いていると、ギャラン様は少し驚いていたがその間をぬってシャロが口を開いた。


 「フルル、限りなく失礼なのわかってる?」


 「そうなの???」


 そう驚くとギャラン様とシャロはがくっと肩を落としていた。

 そしてラフレーズ様は信じられないという表情を浮かべていたが、まさかルギオス様まであそこまで目を見開くとは……最近、ギャラン様になれてきたせいで発言が緩くなってしまったらしい。

 

 反省しなきゃだなぁ……アイン様に怒られたくないし、仲良くしてあげてとは言われてるけど失礼はいけないと気を取り直した。


「まぁ、大丈夫だよシャルロット嬢別に殴られたわけじゃあないし」


「全くもう……殿下は甘すぎます」


「そうかなー」


 まぁ、とりあえず荷物置いてこようよという一言で各々、居室へと向かうときに、そういえばという思いでラフレーズ様に問いかけた。


「ラフレーズ様は毎日、拠点にするコテージを変える感じですか?」


「いえ、日中は他の班を転々とするんですけど泊まるところはここで固定らしいです」


「そうなんですか、確かにいちいち荷物まとめて移動するのも面倒ですもんね」


 それもそうだ。

 毎日移動して荷物広げてとかしてたらそれこそ交流する時間減るしね。

 というか、それくらいちょっと考えればわかることを聞いてしまって申し訳ないなぁ~と反省していると、ラフレーズ様は特に気にしてはいないらしく、答えてくれた。


「あ、勿論ルギオスも同じですよ」


「あぁ、そうなんですか」


道理で他の班のコテージよりやたら広いなぁと思ってたんだよね、とおもいながら自室に割り振られた部屋に入って荷物を開くことにした。

いつも読んでくれてる皆様、初見の方閲覧ありがとうございます。

いいね、評価してくれる方本当にありがとうございますとてもモチベーション向上につながっております。


お暇なとき気軽な気持ちで評価、ブクマ等していただけたら幸いです。

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