ぼんやり令嬢はまたまた根掘り葉掘り聞かれるそうです
更新間が空きすぎてしまいました申し訳ありません
ギャラン様を始めとして、この班は優等生ばかりなせいかいろんなことがスムーズに進んでいった。
これ私いるのかなーって思いながら話し合いは終わっていった。
いや、いらなかったなー私、と思いながら迎えの馬車を待っているとまたまたラフレーズ様が隣に現れた。
あれ?何でここにきたんだろう?
徒歩で帰宅、ないしは寮生の方はあまりこちら側の出口に来ること少ないのに……と考えるのもつかの間、ラフレーズ様が私に話しかけた。
「ルギオスって気難しいけど、悪い奴じゃないんです」
「え?ああぁそうなんですか」
だから怒ってないのに……という気持ちと、何なんだろういきなりという気持ちが混ざってたまま答えるとラフレーズ様はさらに付け加えた。
「フルストゥル様って、以前は侯爵令息と10年婚約していたんですよね?」
「そうですけど?」
本当、だから何なんだろう、というよりそれを聞いて私に何を聞きたいのだろうと思いながら、浅い角度で首を傾げたまま待っていると、ラフレーズ様は意を決したようにこちらを向いた。
「嫌じゃないんですか?」
「嫌?」
「だって、今婚約しているニィリエさんは男爵子息じゃないですか?」
「あー家柄のことをいってます?」
自分でも暢気な返答、いやだって本当に気にしてないですし……とどこか冷めてる私のことを置いといてラフレーズ様は強く頷いた。
「そうですよ!!!しかもフルストゥル様よりも爵位的に見たら下ですよ?」
欲しかった答えがきたからか、ラフレーズ様は水を得た魚のように勢いよくいうが私は、肩を落とした。
「べつにそこにこだわりは無いですよ。私も、多分私の両親もそこまで……」
「でもツィリアーデ様はディルフィニウム侯爵家と……」
心底意外そうに……、いや私の家が貴族としてはかなり奔放としているんだろう。
あと、お姉さまがいま勢いのある王室派貴族の一つであるディルフィニウム侯爵夫人であること、そして私の元婚約者が侯爵家なことを考えたら
確かにラフレーズの考えになるのは分かる。
それが偶然といっても信じてくれるかなぁ……。
そもそもこの貴族らしからぬのんびりした考えはベルバニアの方針なのか、アーレンスマイヤの方針なのかは謎だけれど……うーんどっちだろう。
あまりお母様の方の祖父母とは会わないしなぁ。
「あ、うち両親もそうなんですけどお姉さまも恋愛結婚ですよ?」
「え?じゃあなんで婚約してたんですか?」
「あちらの家が王室派とつながりが欲しかったみたいで……」
「ということは元婚約者のことは好きとか何でも……」
「まぁ少なくとも恋愛感情も、大きくなってから信頼関係もなかったですねぇ」
最後はまぁ、本音で話せたとは思うけど……でもだからとはいえ全部全部水に流してきれいさっぱりってならないあたり、私ってどう考えても根暗だよなぁ。
何かしらの物語のヒロインだったらきれいさっぱり許しているんだろうなぁ……。
「……すいません。色々聞きこんでしまって」
流石にこの返答は予期していなかったのか、ラフレーズ様は申し訳なさそうな表情を浮かべているのを見て私は手を横に振って大丈夫だと
「あー、別にもう終わったことですし」
掘り起こされるのはあまり好きじゃないけれど怒るほどのことでもないしと、息を吐いた後思わず本音が漏れてしまった。
「本当のところ何が聞きたいんですか?」
「え?」
「突然、ルギオス様のことを聞いて来たり、婚約関係を聞いて来たり……それを聞いてどうしたいのかなって」
「あ、えぇっと……やっぱり同期は心配じゃないですか」
「?そういうもんですかね?」
そもそもそこまでルギオス様と親しかったっけ?と頭に疑問符が浮かんでいる私に畳みかけるように答えた。
「フルストゥル様もお友達のことが心配になったりするでしょう?それといっしょですよ」
「そういうものなんですか?」
「そういうものです」
そっかぁ……と言い切るラフレーズ様に気圧され、頷いているとラフレーズ様はとうとう本題を言い放った。
「フルストゥル様、今のお立場、正直疲れませんか?」
「え?立場?」
「……だって、過去の婚約も今の婚約も王女の侍女候補もどれも自ら望んだことじゃないでしょう?それこそこの学院にいることすらも」
あぁ、なんだそんなことか……と思う一方、何でここまで私のことをきにするのだろう。
「疲れるも何も、私は何かを選べる立場にいませんから」
「それでいいんですか?」
「いいもなにも……そもそも私が疲れてるところでラフレーズ様に何も影響無いですよね?」
私がそれを言い切ると、ラフレーズ様は挨拶もそこそこにどこかへ消えてしまい、一体何が聞きたかったのか全く分からずじまいなのであった。
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