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ぼんやり令嬢たちの噂分析

「なるほどねぇ、それはフルルちゃんは疲れるね」


「へ?」


「だって、シャロちゃんみたいに切り捨てられないでしょ?今だってルギオス君の心配もしてるじゃない?」


 「傲慢かもしれないですけど……はい」


 正直、妾がいる家なんて珍しくないと言えば珍しくないし、政略結婚であればなおのこと……私の周りには妻、夫は一人きりという家が多かったせいでそこの感覚は少し変なのかもしれない、現に一人親とかみると、大変なんだろうなと思ってしまう。

 そう、王妃がそういった一人親や、私生児への政策をきちんとしているのにも関わらず、そういった憐みのような目線を向けてしまうことは傲慢だよなと思ってしまう。

 

 だって、嫌じゃないかな?幸せに暮らしているのにやたら大変そうだとか言われるの、鬱陶しいとさえ思われるよ。

 でも、シャロから聞いた話、不幸とまでは言わないけれど苦労はしてるんだろうな、思う所はあるだろうなとは思ってしまう。


 「まぁ、らしいといえばらしいけど……どうする?ニーチェ?」


 「まぁ、噂の出どころとそれを流布した奴はどうにかしないとな……あと、マクシミリアン子爵家に対してもなぁ……にしても何がしたいんだか」


 噂の出所、ほぼラフレーズ様で確定だろうなぁ……と思うのはわたしだけだろうか。

 あの日、あの場所で起きたことは私たち三人と守衛さんくらいしか知らないし、あの現場をみていたら流石にあんなこと言えないだろうけど……。

 まぁ、ラフレーズ様だと仮定して、その場合どこに何をいえばいいのかなぁ……。

 あと、それに流されてしまった彼らも、どうするのがいいんだろう。


 「多感なお年頃ですからねぇ」


 「いや、フルルもそうなんだけどな?」


 ニーチェさんが首を傾げ呟いた後に、アイン様がにっこりとほほ笑んで続けた。


 「どうする?やっちゃう?」


 「……方向性としては?」


 「え?さくっとこう」


 首の横に線を入れるジェスチャーを顔色一切変えずにやるアイン様を見て、不敬だが思いっきり首を横に振った。


 「いやいや……」


 やりすぎですって、そんなことしちゃったら悪女と思われちゃうってアイン様が……と控え目に抑えながら、とりあえずどうしようかなぁと考えながら、ぼーっとしているとニーチェさんはまぁまぁと間に入った。


 「にしても、変な話だよな……婚約破棄もブランデンブルグ侯爵家の所業もこれだけ広がっているのに今更魔女だなんだって……」


 バカバカしい、とニーチェさんが続けるとアイン様は呆れたように笑った。


 「……過激な新興派と古参派の嫉妬でしょうね」


 「?正反対な気がしますけど?」


 「まぁ、こういってみるとそうねぇ」


 私の疑問に言われてみれば、とアイン様は首を傾げた後に続けた。


 「ほら、狩猟祭でけっこうな数の新興派がレイラントに送られたりなんだりして大分力を削がれたじゃない?それ以前に新興派の中でも力を持っていたブランデンブルグ侯爵の失脚もあったからねぇ……彼らからしたら確かに魔女かもしれないわね?まぁどちらかといえば魔法少女ってかんじだけどね」


 「こんな陰気な魔法少女人気でないですよ」


 もうちょっと、そのきゃぴきゃぴきゃるるんって感じじゃないっけ?そういうのってと続けるとニーチェさんにほほをつつかれた。


 「はいはいそういうこと言うのやめようなー」


 「はーい」


 「仲良しでいいわねぇ」


 冷たい紅茶を飲みながら、アイン様はにこにこと続けた。


 「まぁ、あとは純粋なキャシャラト貴族たちが、自分たちは王族と近くなれないのに純粋なキャシャラトの貴族じゃないベルバニアの末子が私の侍女見習いになって嫉妬してるんでしょうね……それでそれを自分の子供たちに言ったりだとか、その雰囲気をうけてとかね」


 「へぇ……」


 「割と興味無さそうだなぁ」


 「別にそういう噂とかってよくありますしねぇ」


 そういうの捌いたり流したりしないといけないっていうんだから貴族って大変だよねぇ~、と他人事のようにゼリーを口に運ぶとニーチェさんがため息をつきながら頭を撫でてきた。


 「達観してるなぁ……で、あとの噂はあのラフレーズって子かぁ」


 「でしょうね……あと彼女の過激なファンとかねぇ」


 確かに、一般生徒、特に男子生徒からは偶像崇拝かな?ってくらい羨望の眼を向けられているし、もはや彼女の兵隊か何か?っていうくらいの勢いがあったなぁ。

 あんなに可愛くて、治癒魔法とかに長けていたら聖女って通り名がついちゃうのは無理もないのかなぁ、ちゃんとした聖女いたら怒られそうだなぁとぽけーっと考えていたら、アイン様が続けた。


 「まぁ、ニーチェ何とかしなさいな」


 「いわれずともしますよ」


 「?えっと……えぇ?」


 今の流れるような会話の意味を少し考えて首を傾げているとニーチェさんは、すんなりいっていた会話の流れを止めてこちらを見て聞いてくれた。


 「どうした?」


 「今の話の流れ的に、私に対する噂とかの対処をまるでニーチェさんがするみたいな感じですけど?」


 こういうのって学院内で何とか納めるのが普通じゃないかな?そもそも、基本は自分で何とかすることだし……と思っていたし、何なら先生に相談してしかるべき対応してもらうかぁとか考えていたんだけれど


 「するけど?」


 「え?何で?」


 「フルルが大事だからだよ?」


 そんなことも知らないの?といった風なきょとんとした表情に、一瞬固まった後……。


 「ぐぅ……」


 と、うめき声をあげて胸を抑えるくらいには心臓をつかまれた気分だった。

いつも読んでくれてる皆様、初見の方閲覧ありがとうございます。

いいね、評価してくれる方本当にありがとうございますとてもモチベーション向上につながっております。


お暇なとき気軽な気持ちで評価、ブクマ等していただけたら幸いです。

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