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さよなら金木犀

 僕の実家には、金木犀が咲いていました。

 でも、今はその姿はなく……。


 金木犀に支えられた子ども時代。

 そして、枯れてしまってからの大人時代。


 金木犀や庭のことを考えながら、綴ってみました。


 僕の家の一角には、金木犀が一本だけ生えている。

 僕は、金木犀の匂いがとても大好き。

 黄色のような、オレンジ色のような小さな花が、とってもかわいい。

 その可愛らしい花の形も、大好き。


 一番好きなのは、ママが愛した紫陽花だけれども。

 その次に好きなのは、金木犀だった。


 行ってきますと小学生の頃の僕。

 

 毎朝見送ってくれた、緑の金木犀。

 花を咲かせた黄色の金木犀。

 花が散って、秋色の金木犀。


 今は、虫が食って荒れてしまい、枯れ枝となった金木犀。

 その金木犀は、伐採されてしった。


 門で四季を教えてくれた、いつもの光景が消えてしまった。

 とっても寂しくなったのは、僕だけ?


 金木犀だけでなく。

 庭を賑わっていた木々のほとんどが、伐採されて消えてしまった。


 サヨナラ、思い出。

 サヨナラ、サヨナラ……。


 新たに芽吹くことは無い。

 自然の命は長くとも、永遠ではないんだね。


 実家から離れた今もなお。

 僕を支えてくれた、庭の木々たち花たちを、愛しく思う。


 もう、姿もカタチもないけれども。

 ありがとうと、僕は弔う。


 はじめまして。

 または、お久しぶりです。

 小田虹里おだこうりです。


 今日、22日はママの月命日であります。

 それもあって、何かしら書けたらいいなと模索した結果。家に咲いていた金木犀を題材にして、詩を綴ることにしました。


 ママが亡くなったのはもう、七年も前のことになりました。

 あっという間に月日……どころか、年月が経ってしまいました。早いなぁ。


 じいちゃんが亡くなったのも、若かったと思っていたんです。享年67歳。だったかな?

 まだまだ、僕も弟も子どもでした。

 でも、ママはもっともっと若くして亡くなってしまいました。還暦も迎えない。何のためにあんなにも働きまわっていたんだろうってくらいに、早い死でした。年金制度って、虚しいなと思ってしまいますね。そこは、すごくお金の話になるんですけど。


 ほどよく働いて、ほどよく国から保護を受けて、ほどよくのんびりして、生きていられたらいいな。


 ママが亡くなってからは、そう思うようになりました。


 ママが亡くなったことで、家を賑わっていた庭にも大きな影響がありました。

 草木が大好きだったママは、庭を大切にして。花も一年中なにかしら咲いている環境でした。ママが亡くなる数日前に、弟と一緒にプランターにパンジーを植えました。それが最期。お水をまくことも、しばらくは継いでやっていましたが、もともと草木に興味がなかった僕は、あっという間に枯らしてしまいました。バラも枯れてしまって。アケビも二種類ちゃんとあったのに、枯れてしまった。唯一、いえ、絶対守りたかった『紫陽花』も、ほとんど枯れてしまって。ママが、嬉しそうに紫陽花を眺めていた姿だけ、胸の中にしっかりと刻まれているけど、それが悲しくなるほど全てが荒れてしまいました。


 思い出は、そうそうに消えない。

 でも、草木は枯れる。


 失くしたものばかりを数えていても、仕方がない。それは分かっているのですが、守りたかったものが消えてしまうのは、結構心が痛むものですね。


 今、守りたいものはママが亡くなってから得たものばかりかもしれません。新しく家族になってくれた恋人。そして、そのご家族。友人。『なろう』も、ママが亡くなってから見つけた新境地でした。


 小説家になりたい。


 その気持ちは、ずっとずっと昔からあるものです。ママが死に際でも、願ってくれた夢でもあります。僕はこの夢を決して離さず、叶えていく努力を続けようと思います。


 そんなこんなで、金木犀。

 二作品、詩を投稿してみました。


 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 なろうでは、流行の作風は書けていないと思いますが、ハイファンタジーやヒューマンドラマなど執筆しています。詩やエッセイもたまに載せていますので、気にかけてもらえると嬉しいです。


 ぜひまた、次の作品でもお会い出来たらと思います。




 2021.09.22


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― 新着の感想 ―
[良い点] そう言えば、失った家族の思い出って何故か庭の景色と結びついている事が多いですね。 美しく、暖かな筆致でそんなデジャブを揺さぶってくれる詩二編。 別れを意識せざるを得ないラストなのに、読み終…
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