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笑顔は可愛い

「ルーナ、起きろ。昼だぞ。」


思いの他よく眠ってしまい、すでに昼になっていた。

昼はビュッフェ形式にし、庭で護衛に来ている部下の騎士達も一緒に食事をすることにしていた。


「すみません、よく眠ってしまいました。」

「いいんだ。」


ルーナを起こし、二人で手を繋ぎ食事に行くとすでに部下達は食事を始めていた。


「団長、すみません、先に頂いています。」

「気にするな。好きに食べてくれ。ヒューバートはどうした?昼には来ると言っていたが。」

「ヒューバートさんはお酒をとりに行きました。」


そこに両手一杯に酒を抱えてヒューバートがやってきた。


「起きましたか?団長。先に頂いてますよ。」

「かまわん、昼から休みの者は酒も飲んでいいぞ。」


ルーナも皆に可愛く、どうぞ、と勧めていた。


「ルーナさん、リボンがほどけそうですよ。」


ヒューバートがルーナのリボンに気付き笑いながら言った。


「カ、カイル様のせいですからね。」


ルーナが赤くなり、逃げようとした。


「待て、どこに行くんだ。」

「髪を直してきます。少しだけ待ってて下さいね。」


ルーナは小走りで邸に行ってしまった。

恥ずかしさから、ルーナは少し怒ってしまったかもしれん。


「ヒューバート、お前のせいでルーナに逃げられたではないか。」

「逃げてないですよ。髪を直しに行っただけですよ。大体髪が乱れたままだとルーナさんが嫌がるでしょ。」


乱れたというほどではないがリボンが気になるみたいだ。


「団長、ちょっと落ち着いた方がいいですよ。ルーナさんに逃げられますよ。」

「妻を大事にしているだけだ。」

「逃げられないといいですね。」


逃げられては困る。

やはり今夜も理性と戦うか。


そんな風にヒューバートと話しているとルーナが髪を直して戻ってきた。


「すみません、お待たせしました。」

「ルーナ、綺麗だ。髪を乱してすまなかったな。」

「はい、でも怒ってませんよ。」

「そうか。」


ルーナが俺の隣に立ち、パンを食べると部下達が皆見ていた。

一睨みすると、ヒューバートが止めた。


「団長、睨まないで下さい。ルーナさんが可愛いし、そんな団長が珍しくて見てるだけでしょ。」

「ヒューバート様、私なんて可愛くありませんよ。」

「いや、かなり可愛いですよ。もしかして気付いてないんですか?」


そんなわけないだろうとルーナを見ると、疑いの眼差しで俺を見ていた。


「皆様、カイル様を見ているのですよね?」

「まさか気付いてなかったのか?」

「…私、カイル様以外に好かれたことがありませんよ?」

「団長がいなくてもルーナさんなら誰でも付き合いたいと思いますけど。」


まさかルーナが可愛いと自覚がなかったとは驚いた。

確かに今までの婚約者候補の者どもは変に自信満々でルーナは明らかに違うようだったが、どうみてもルーナが一番可愛くて綺麗だ。


「もっと自信を持っていいんだぞ。ルーナが可愛いのは間違いない。」

「知りませんでした。」


そう言いながらパンをかじるルーナも可愛く見えてしまう。


食事がある程度進み、邸の護衛についていた部下達に食事をしながら、話を始めた。


「皆、邸の護衛ご苦労だった。今夜からは護衛は終わりにする。」


俺が話し始めると皆が食事を止めて聞いていた。


「明日からはいつもの仕事に戻ってくれ。」


部下達が返事をし、ルーナを見るとじっと俺を見上げていた。


「なんだ?」

「…何でもありません。」


ルーナは、俺を見た後部下達に頭を下げ、礼を言った。


「皆様、ありがとうございました。皆様のおかげで心強かったです。」

「団長の奥方様なら皆命をかけて守りますよ。」

「まあ、カイル様は人気なのですね。」

「団長は男にも人気がありますからね。」

「少し怖いですけど、男らしいですから。」


俺のことを少しは怖がっているようだが、ルーナは嬉しそうに笑った。


「カイル様が人気ものだと何だか嬉しいですね。」


そうして、優しく笑うルーナが益々好きになりそうだった。





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