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第2夫人はいりますか?

朝起きると、疲れていたのか夕べはぐっすりだった。


朝食の後、カイル様は書類を先に片付けると言うので、少しだけ待つことにした。


玄関ホールで待っているとシャリーさんがきた。

おはようございますとお互いに挨拶をした。


「今から、お出かけですか?」

「はい、カイル様が馬でお出かけしようと言って下さいましたので。」

「ルーナ様と一緒なら、カイル様もお優しいですのね。」

「カイル様はいつもお優しいですよ。」

「ルーナ様もお優しいですし、カイル様はお幸せですね。そのルーナ様にお願いがあるのです。」


両手をガシッと握られ、シャリーさんは真剣な顔で話し出した。


「ルーナ様となら上手くやれます。私を第2夫人にするように、カイル様にお願いして下さい。」


まさか、こんなにハッキリ言われるなんて、どうしましょう!


「まだ、ルーナ様はお若いですし、カイル様も満足できてないと思うんです。私なら毎日でも満足させられます。ルーナ様の歳を理由にカイル様を我慢させるのは可哀想です。」


満足できてない。

確かに、そうかもしれない。

シャリーさんみたいにスタイルもよくないし、胸元に見える谷間は女性を感じる。

きっと、男性はこんな色っぽい方が好きなんだろう。


「カイル様はルーナ様を大事にされてますけど、カイル様も男性です。私なら結婚前からきちんとお相手します。ですから、ルーナ様はまだ焦らず私にお任せ下さい。」


もしかして、まだ私はカイル様に、だ、抱かれてないと、思われているのかしら!?

でも、言えないわ。


「あ、あの、シャリーさん。カイル様は第2夫人の話はされませんので、私からは何も言いません。本当にすみません!」

「でも、一度きちんとお話して下さい!カイル様ほどの方なら第2夫人がいてもおかしくありません!」


もしかしたら、私のせいで第2夫人を取らないのかしら。

もし、本当は第2夫人を欲しがっていたら、私が我慢しないといけない。

シャリーさんの顔が見られなくなり、横を向いていると、庭師のマシューさんが声をかけてきた。

マシューさんは荷物運びの為に、一緒に領地に来てくれていたのだ。


「お嬢様、大丈夫ですか?カイル様を呼びますか?」

「大丈夫です。本当に大丈夫です。」


マシューさんは私の顔を見ると、カイル様を呼んで来ます!と邸に入って行った。

きっと、不安な顔になっていたのだろう。


「では、宜しくお願いしますよ!ルーナ様!」


シャリーさんは、何だか、不機嫌になり帰って行った。

昨日のおしとやかな感じはなんだったのか。

でも、シャリーさんの言うとおりなら、カイル様は第2夫人を欲しがるかもしれない。

私はカイル様が来るまで、ずっとそんなことを考えていた。



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