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結婚を意識してます

グレイ達の結婚式の後、そのまま俺達はファリアス公爵家の領地に来た。

領地の邸も、普段は使ってないが、領地に来た時だけ使っている。


邸の前には、テオドール男爵夫妻に娘のシャリーに領地の者達が出迎えていた。


馬車からおり、次にルーナを降そうと両手で持ち上げて馬車から降ろした。

ルーナは軽くて、ヒョイと持ち上がった。


「ルーナ、皆を紹介する。」


「この度はご婚約おめでとうございます。」


テオドール男爵達が挨拶をして、ルーナも軽く会釈する。


「テオドール男爵、すぐに領地の話を聞きます。書斎でお待ち下さい。」

「カイル様、もしよろしければ娘にルーナ様のお相手をさせましょうか?」


俺がいないところで、何かあると困るが、ルーナを閉じ込めておくわけにもいかん。


「カイル様、私、シャリー様とお茶をご一緒しますね。」

「終われば、すぐに迎えに行くからな。」

「はい、お待ちします。」


ルーナは社交性を身につけようと頑張っている。

ルーナの邪魔はしたくないから、好きにさせてやりたい。

最近は特に結婚を意識してくれていると思う。

俺の妻となるべく頑張ろうとしてくれているのは感じている。

そんなルーナも、可愛いと思ってしまう。


テオドール男爵は、書斎に入るなり、シャリーの話をし出した。


「カイル様、シャリーは美しく育ちましたでしょう。もう19歳です。そろそろ良い家と結婚をと考えております。」


夫人からの手紙で、俺はハッキリ断っている。

第2夫人を迎えるつもりも全くないのに、何を期待しているのか。


「良い縁談があればいいですね。では、領地運営の話に入りましょう。」


とりあえず、以前からハッキリ断っているのだから、相手にしないように、領地の話を進めた。






「ルーナ様、ご婚約おめでとうございます。」


テオドール夫人とシャリーさんがそう言ってくれた。

領地の話をしつつも、テオドール夫人も特にシャリーさんはカイル様のことの話題をしてきた。


「結婚はいつ頃になりますか?皆楽しみにしてますのよ。今夜は近隣の貴族を招待してますので、ぜひご一緒下さい。」

「まぁ、嬉しいです。それと結婚はまだ少しかかりますね。」


ミラ様の結婚式と被らないようにしてますからね。


「シャリーも早く嫁がなくてはね。」


まぁ、と頬を染めるシャリーさんは可愛かった。

シャリーさんはカイル様の親戚だからか、美人な感じだ。

きっとすぐに結婚相手が見つかると思った。


「シャリーさんはお綺麗ですから、すぐに見つかりますわ。」


ありがとうございます、とシャリーさんはまた頬を染めていた。


その時、私に影がさした。


「ルーナ、お茶は終わったか?」


首を少しひねり上を見上げると、カイル様が両手をテーブルにつき、覆い被さるようにしてきた。


「カイル様、お仕事終わりましたか?」

「ああ、すんだ。夕食に誘われたから、夜は出かけるぞ。」

「はい、私も聞きました。」


カイル様が手を出して来たので、手を添え立ち上がった。


「叔母上も準備があるでしょう。我々も夕食の支度に戻りますので、そろそろルーナを返してもらいます。」

「テオドール夫人、シャリーさん、ご夕食を楽しみにしてます。」


カイル様に連れられ邸の部屋に行くと、主寝室の続き部屋に私の荷物があった。


カイル様はソファーに腰かけ、私を隣に座らせた。


「夕食は近隣の貴族の方々も呼ばれているみたいですね。沢山こられますか?」

「家の邸ほどはないから、あまりは来ないだろう。シャリーとは楽しかったか?」

「シャリーさんはおしとやかな方ですね。カイル様の親戚ですし、お綺麗でした。」

「シャリーがおしとやか?昔とは違う感じだな。」

「大人になったから変わられたのでは?結婚相手を探しているようでしたよ。」


結婚相手と言う言葉にカイル様はため息をついた。


「以前から、結婚の話も第2夫人の話も断っていたんだ。」


ええ!早く嫁がなくてはと言っていたのは、カイル様に嫁ぐことなの!?


「シャリーさんのお相手はカイル様だったんですか!?」


思わず、カイル様の服を掴んでしまった。


「相手じゃない。叔母上達とそんな話をしなかったのか?」

「私達の結婚の日取りを聞かれたり…、シャリーさんとカイル様が結婚するとは聞いていませんでした。」

「結婚するのはルーナだけだ。」



カイル様もそう言って下さるし、シャリーさんもおしとやかな方だから、きっとおかしなことにはならないと思ってしまった。


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