好きなものを聞きたい
お茶をとりに行くと、ミラ様やアルベルト様の侍女や従者の方々も水やお茶をとりに来ていた。
アルベルト様の従者の方は、無表情で何だか迫力があった。
「お嬢様、お茶でしたらお持ちしますよ。」
「お忙しいようですし、大丈夫ですよ。」
ハンナさんが言ってくれたけど、まだ休めないのではと思い、お断りした。
その時、ヒューバート様がお酒をとりに来た。
「ルーナさん、まだお休みしないんですか?」
「カイル様にお茶をとりに来ました。ヒューバート様はお部屋にお戻りしますか?」
「そうしますよ。」
今なら、カイル様のことを聞くチャンスだと思った。
「ヒューバート様、カイル様のことを聞いてもいいですか?」
「いいですけど、なら部屋に送りますから、歩きながら話しましょうか?」
これでカイル様の好きなものがわかるわ。と思い嬉しくなった。
「カイル様のお好きなものは何ですか?」
「団長の好きなものはルーナさんだけだと思いますよ。」
もの凄い答えが返ってきたわ。
「そ、そうですか。好きなものとかよく行く場所を教えて下さい。いつも私のものばかりですから。カイル様のお好きなところにも行きたいんです。」
「ルーナさんの行きたい所が団長の行きたい所じゃないですか?」
答えがわからないまま、部屋につくとカイル様はもう着替えを済ませていた。
「団長も酒を飲みますか?」
「飲みたいが…」
そう言うとカイル様は私を見た。
「ルーナはダメだぞ。」
「もう飲みません。」
こないだので懲りました。
次の日体がだるかったですし。
「お着替えして来ますから、ヒューバート様もゆっくりして下さい。」
「必ず、ガウンを着てくるんだぞ。」
「はい、」
「ルーナさん、団長はルーナさんの寝夜着を見せたくないみたいですから、ゆっくり支度して下さい。俺もすぐに帰りますから。」
「すみません、ヒューバート様。」
ヒューバート様に聞いてもカイル様の好きなものはわからないし、後で思いきって聞こうと思った。




