殿下のお相手はたくましい方がお似合い
カイル様と二人で食堂へ向かうと、ミラ様やグレイ様に、遅いと言われた。
まさか、二人で抱き合いキスをしていたから遅くなったとは言えない。
「カイル、口紅がついてますわよ。」
ミラ様が冗談っぽく言うとカイル様は、親指で唇を拭いた。
「あのカイル様、私の口紅は薄いピンクですのであまりつかないと思いますよ。」
私が、恥ずかしいと思いながらもそう言うと、ミラ様達が笑い出した。
「やっぱり、いちゃついてましたわ。グレイ、私の言った通りですわ。」
「カイル、俺達を待たせてまで、我慢できなかったのか?」
カイル様を見ると、少しだけ耳が赤くなっているのに気がついた。
「ミラ様達にバレちゃいましたね。」
「そうだな。」
顔を半分手で隠し、少し照れているカイル様も格好よく見えてしまった。
少し遅れて、ヒューバート様も来られ、食事を楽しんだ。
カイル様は、アルベルト様が私に気がなかったとわかってからか、睨むことはなくなった。
時々、アルベルト様を怖い顔で見ている時は、どうしようかと思っていたから、本当に誤解が解けて良かった。
「兄上も、どなたかと結婚した方が良いですわ。」
「子の持てない私とは結婚させられないよ。それに今結婚すると王位にまた問題が増えるといけない。今は、ミラ達が継ぐのが一番良いんだ。」
アルベルト様は多分、王室に問題を抱えたくないのだろうと思った。
「でも、誰かといた方がいいですわ。一人だと、変なことばかり考えてはいけませんもの。私はメアリーさんがいいと思いますわ。」
メアリーさん?
よくある名前だけど、まさかと思った。
「ルーナとカイルも、メアリーを知っているだろう。」
アルベルト様が私達に聞いてきた。
「ハーシーズ侯爵家のメアリーですか?」
カイル様も、びっくりしたのか、確認していた。
「あら、ルーナ達も知っているの?私はメアリーさんがたくましくて、兄上にはあれくらい元気な方が良いと思うんですの。」
確かにメアリー様はたくましい感じだった。
気が強いと思う。
「メアリーはルーナのことを、話していると毒気が抜かれそうだ、と言っていたよ。カイルの変わり身にも驚いていたみたいだし。」
「そ、そうですか。でも、アルベルト様とはきっとお似合いです。」
メアリー様は、私とはタイプが違い過ぎてきっと苦手なんだろうと思う。
それに、ミラ様がメアリー様の話をするくらいだし、アルベルト様は、メアリー様と一緒にいたいのではと思ってしまった。
和やかな雰囲気のまま食事も終わり、カイル様が少し疲れたかもと思い、寝る前のお茶をとりに行くことにした。
「オーレンに持って来させるからルーナはいいんだぞ。」
「大丈夫ですよ。それに、今夜はミラ様達も来てますから、オーレンさん達も忙しかったと思います。」
「使用人をもっと増やすか?」
「大丈夫です。いつもは足りています。」
お客様が来た時に忙しいだけだから、使用人は増やすことはないと思った。
カイル様は、自分のことは自分でするから従者もいない。
結婚したら、私に侍女をつける話もされたけど、今は必要ないと思っていた。




