家政婦長は見た 2
今朝はゆっくりの時間に朝食をカイル様の部屋に運ぶように言われた。
とうとうカイル様が想いを遂げられるのだろうと思ったが、どうやら違うようでした。
お嬢様はお酒を間違えて飲んだらしく、そのまま寝てしまったようでした。
少し安心したのと、まだお子が見られないのかしら、と私としたことが少し複雑です。
お嬢様とカイル様のお子なら間違いなく可愛いでしょうから。
でも、少し気が早かったようですね。
カイル様から、メイドを一人増やすと言われ、住み込みの若いメイドを雇うことになりました。
住み込みにしたのは、別邸にも連れて行けるようにです。
今のメイドは、通いの夫のいる方ばかりで、別邸には連れて行けませんからね。
「いいですか。お嬢様は近い将来この邸の女主人になられる方です。粗相のないようにきちんとして下さい。」
メイドにきちんと伝え、お嬢様が、カイル様にお弁当を持って行き、帰られたので、早速メイドに挨拶をさせました。
「お嬢様、今日から勤めるメイドです。」
「はい、聞いています。どうぞよろしくお願いします。」
今日もお嬢様は可愛らしいです。
カイル様と昼も会えてご機嫌ですし、意外とカイル様が積極的で良かったですわ。
「さぁ、皆さん!明日からカイル様達が王都の別邸に行きます。お嬢様の大事なデビュタントです。はりきって準備に取りかかって下さい。」
さぁ、私はお嬢様のドレスを積まなくては。
「ハンナさん、今から私は先に別邸の準備に行きます。後をよろしくお願いします。」
「もう行かれますか。気をつけて下さいね。」
オーレンさんは、一足先に別邸の準備の為に今から王都に行くことになっています。
明日のデビュタントが楽しみで、私もずっとそわそわしています。
オーレンさんもそうなのでしょう。
婚約も発表しましたし、順調ですわ。




