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誕生日。私は一人パニックです!

昨日、王都から帰り、今日は私の16歳の誕生日だ。


昨日はカイル様は用があるといい、忙しくしていたが、今日はずっと一緒にいてくれるらしい。

今からカイル様が庭の薔薇を採りに行こうと言うので二人で薔薇園に行った。

カイル様は、アルベルト様から頂いた薔薇を飾っているのが嫌だった様子に見えた。

髪飾りもカイル様が、買うから着けなくていいとハッキリ言った。


「後で、主寝室も見に行くぞ。結婚したら部屋を移るから、改装しないといけないからな。」

「することが沢山ありますね。」


薔薇を部屋に持って帰り、生けていると、カイル様は、上手いもんだな。と褒めてくれた。

何だか嬉しくなった。


主寝室を見に行くと、部屋は広く続き部屋は私が使っていいと言ってくれた。


「欲しい家具はあるか?ベッドも新しくするから、欲しいものは何でも言いなさい。」

「今のお部屋にあるもので充分です。」


どこまで新しくするのが当然なのかわからず、戸惑ってしまった。


夕食は少し早めにとるらしく、早めにドレスに着替えた。

誕生日の為にカイル様が買って下さったものだ。

準備が終わり、今日は部屋の中で待っていろというので、一人待っていた。


「ルーナ、入るぞ。」

「はい、どうぞ。」


いつもなら、廊下で待っているのにどうしたのかと不思議だった。

まさか、アルベルト様からお詫びといいあんな高そうなものを貰ったから怒っているのかと不安になった。


「ルーナ、話がある。」

「はい、何ですか。」


カイル様の顔が強張っている。

やはり、怒っているのだろうか。


「結婚の約束はしたが、改めて言う。俺と結婚してくれ。」


まさか、またプロポーズをしてくれるとは思わなかった。

涙が出そうだった。


「ルーナ、指を出しなさい。」


言われるがままに指を出すように手を差し出すと、カイル様が小箱から指輪を出し、指にさしてくれた。

赤いルビーの指輪だった。

昨日忙しくしていたのは、この指輪を受け取ったりしていたのかと思った。


「戦に行く前に頼んでいた。気に入るか。指輪に合わせてイヤリングも作らせたのだが。」

「私の為に…?」

「宝石は詳しくないからよくわからんが、ルーナには赤が似合うと思った。」


嬉し過ぎて、涙が我慢出来なかった。


「嬉しいです。私の為にこんなにして下さるなんて。」


思わず、カイル様に抱きついていた。


「ルーナの為なら何でもする。欲しいものも何でも買ってやると言っただろう。だから他の男からは何も貰うな。」

「はい。」


カイル様はそのまま抱き締めてくれ、やっぱりキスをしてきた。


「あの、アルベルト様からのは、プレゼントになりますか?」

「微妙だな。だが着けて欲しくはない。花も部屋に飾る必要はない。」


だから、アルベルト様からの花も部屋から出したのかと納得した。

あの後、カイル様は実はアルベルト様からの花は使用人の休憩室に飾らせてた。

ちょっとびっくりしたけど、もしかしたら、カイル様は嫉妬したのかもしれない。

頂いた指輪とイヤリングをすぐに着けて、二人で食堂に行った。


夕食は豪華だった。

いつも立派な食事だけど、いつもより立派なのがわかる。


カイル様は私を見て、なんとなくご機嫌に見える。


「カイル様、指輪とイヤリングありがとうございます。」

「気に入ったか。」

「はい。デビュタントにも着けて行きます。」

「そうしてくれ。」


どうやら、私がカイル様の贈り物を着けているのが、嬉しいらしい。


だが、私にはもう一つ悩みがあった。

夜だ!

絶対逃げられない!

カイル様は待っているはず!

カイル様のワインを飲んだら気が紛れるのだろうか。

でも、カイル様は真面目できっとワインはまだ早いと言いそうだ。


誕生日の贈り物が嬉しいのと夜のことで頭が一杯で、食事の味がわからなくなりそうだった。


食事の後、二人で部屋に向かい歩いているとその時からカイル様は抱き寄せたまま、時々私を見ていた。

きっと期待している。

でも期待外れだったらどうしたらいいのかわからない。

でも、約束は守らなければ!


「俺が迎えに行くか?」

「だ、大丈夫です!着替えたら行きます!」


部屋の前でそう言うと、カイル様は待ちきれないのか、廊下でキスしてきた。


「す、すぐに行きます!待ってて下さい!」


私は慌てて、勢いよく部屋に入った。


部屋に入るとハンナさんがいつも通り寝る前の準備をしてくれた。


「カイル様に明日の朝はカイル様の部屋に朝食をと言われましたよ。今夜は綺麗にしましょうか。」

「だ、大丈夫です!いつも通りで、本当に大丈夫です!」


カイル様、準備がよすぎます!


ハンナさんもいなくなり、一人パニックのようになり、思わず部屋をうろうろしていたけど、決心して行くことにした。


バルコニーから行こうと、外に出るとすでにカイル様はバルコニーで待っていた。

カイル様に連れていかれ、部屋に入ると、お酒がおいてあった。

きっと、私が遅いから飲んでいたんだろう。


お酒…。


カイル様も照れている時、ワインを一気に飲み干していた。

私も気が紛れるかもしれない。


カイル様が、バルコニーのドアを閉めている隙に、一気にカイル様の飲みかけお酒を飲んだ。

ハッキリいって不味い!


「ルーナ!?それは酒だ!」


知ってます。


「お、お酒を飲まないと、期待外れかもしれません。」

「何を言っているんだ?」


私もわけがわかりません!

わけがわからず、カイル様にしがみつくように抱きついた。


「どうしたんだ?」

「あのですねっ、私、カイル様以外とは寝ません!」

「そ、そうか。」

「それでですねっ!心の準備がまだ出来ていません!」


言った。

とうとう言ってしまった。


「だが、何故酒を飲むんだ?」


わかりません!


「心の準備が出来てないなら、待つから言ってくれ。」

「…怒っていませんか?」

「怒る理由がない。」

「…一緒には寝てくれますか?」

「…少しは触るぞ。」

「が、頑張ります…」


そして、二人でベッドに入るとカイル様の顔が近くにきた。

お酒のせいか、目がおかしくなったのか、カイル様が色っぽく見えた。


「カイル様、約束破ってすみません。」

「16歳になってすぐとは言わなかったから、破ってはないだろ。」


カイル様、優しすぎます。


そのまま、お酒のせいもあってか、カイル様の腕の中で朝まで寝てしまっていた。





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