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積極的です!

夕食後は、カードをすることになった。

私はカードゲームをしたことがなく、ルールも知らない。

カード台も四卓のものだったので見てるだけにしようかと思った。

でも、カイル様は積極的だった。


「ルーナは俺としよう。」


気がつけば、カイル様の膝にのせられすっぽりカイル様の腕の中にいた。


い、いつの間に。


「カイル様、これは恥ずかしいです。」

「ルーナはここでいい。」


酔っているのかしら。

さっきからワインを何度も一気に飲み干しているけど。


「ルーナ様、カイルは他の者とルーナ様を組ましたくないのですよ。」


ルーベンス様がカードをきりながら言った。


「カイル様、私ルールを知らないのです。」

「俺と一緒だから大丈夫だ。」

「はい、教えて下さいね。」


カードを持つとカイル様の両腕が横にあり、カイル様の顔は私の頭の側にあるのを感じた。

動悸がまた始まり、カードどころではなかった。


一時間ほど皆でカードをしたり、お喋りをしたりとあっという間だった。


私はカイル様の腕の中で心臓が限界だった。


「カイル様、そろそろハンナさんが夜の支度に来ますので先にお部屋に戻りますね。」

「気にせず後で呼んでもいいんだぞ。」

「それでは、ハンナさん達が遅くなりますし、先にお部屋に戻ります。」


カイル様が耳元で話すから結構限界なんです。

そう言いたい気持ちだった。


「なら部屋まで送ろう。」

「大丈夫ですよ。一人で戻れます。」


そう言うと、カイル様は後ろから、抱き締めてきた。


「カイル様っ、皆様見てますよっ!」

「気にしない。後で部屋に迎えに行くから待ってなさい。」

「わ、わかりましたっ。」


やっとカイル様は離してくれて、私は真っ赤な顔で皆様に挨拶をして部屋に戻った。


部屋に戻り、ハンナさんが準備してくれたお風呂にジャバンと頭まで入ってしまった。

今日のカイル様はいつもより積極的な気がして、わけがわからない。

カイル様は優しいし、紳士的な方だけど、凄く積極的に迫ってくる気がする。

周りの皆はカイル様の様子に驚いたりして、皆の思っているカイル様と私が知っているカイル様は違うと思ってしまう。

私がカイル様を意識し過ぎなのかと思った。



ハンナさんもいなくなり、部屋でカイル様を待っていると迎えにきた。


「ルーナ、遅くなって悪かったな。」


カイル様に手を繋がれ、ナイトドレス姿でカイル様の部屋に行った。

部屋につくなり、カイル様は服を脱ぎだしびっくりした。

カイル様の裸が見れず、後ろを向いてしまった。


「沢山お酒を飲まれたんですか?」

「グレイやルーベンスと飲むのは久しぶりだったからな。」


確かに皆様楽しそうだったわ。と思った瞬間、カイル様が後ろから抱き締めてきた。


「カ、カイル様、服がまだですよ!」

「ズボンははいている。」

「上も着て下さい!」

「このままで寝るからいい。こっちを見ないのか。」

「見れません。」

「じゃあこのままベッドに連れて行く。」


うーっ、と目をつむっているとカイル様が抱き上げベッドに連れていかれた。


「酔ってますよねっ!」

「酔ってない。ルーナに会えて嬉しくて飲みすぎただけだ。嫌か?」


それは酔っているのではないですか。


「それを言われると何も言えません。私も会いたかったですから。」


そう言うと、カイル様に唇を塞がれた。


「…っ!」


思わず変な声が出そうになった。


「カ、カイル様、服を着て下さい…寒いですよ。」

「ルーナがいるからいい。」


カイル様はそのまま腕枕をして眠ってしまった。

私はまた心臓が爆発しそうで眠れず、カイル様の寝顔を見ていた。



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