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腕枕

明日は急遽休みにした。

次の休みにバーナード様の邸に行こうとしていたが、バーナード様は夫人と出かけるらしく、明日ルーナと行く事にした。


帰りにルーナが好きそうな茶葉を買ってきたが気にいるだろうか。


ルーナが来てから毎日邸に帰っている。

騎士団に泊まることも止め、邸に帰ることが面倒臭くなくなった。


玄関を開け、ルーナに会えると思ったが、今日は違った。

ルーナもオーレンさえもいない。

部屋にいるのか?

一人部屋に向かうと、バタバタと走り、あちこちの部屋を覗いているオーレンがいた。


「オーレン、どうした?ルーナは何をしているんだ?」

「カイル様!大変です!お嬢様が部屋にいません!」


ルーナがいない!?


「どういうことだ!?」


慌ててルーナの部屋に行くと、買い物にいったであろう紙袋がそのままおいてあり、ベッドには、ラッピングされた紺色のリボンのついたプレゼントであろう箱があった。


「誰か来たのか!?」

「いえ、誰も来てないはずです!」


誰も来てない!?

では誰からのプレゼントだ!?

誰がルーナに贈り物をしたんだ!?

まさか、他の男と出ていったのか!?

いや、ルーナはそんな娘ではない!!

だが何故いないんだ!?


「後、探してないところはどこだ!急いで探すんだ!出入りももう一度調べろ!」


他の男といるところは想像したくない!


「後二階の半分とカイル様のお部屋と三階がまだです!一階と地下ははハンナさんと料理のもの達が探しています。庭はマシューが探して、」

「俺は部屋を見てくる!その後三階を探す!必ず見つけるんだ!」


何故いなくなるんだ!


自分のドアをバンと荒々しく開け部屋に入るとルーナのくれた薔薇を見た。

だが、驚いた。

ベッドに足をたらしベッドに転がって誰かいる。


ルーナだ。


何故ここで眠っているんだ!?

わけがわからない??


踵を返し、またドアをバンと開けた。


「オーレン、ルーナを見つけた。」

「は?」

「俺の部屋で寝ている。」

「カイル様のお部屋に?」


オーレンもわけがわからない顔をしていた。


「ルーナには俺の部屋の出入りをいつでも自由にと言っていたから、部屋で用事をしていたんだろう。」

「そういうことでしたか、見つかってほっとしました。お部屋にお運びしましょうか。」

「このまま寝かせておく。皆に見つかったと伝えてくれ。」

「はい。」


オーレンがいなくなり、垂らしている足を直し、ルーナをベッドに寝かせた。

寝顔も可愛いく、無防備に寝ている。

おかしな気分になりそうだった。


暖炉に火でも入れるか…。


立ち上がろうとすると、ルーナが無意識に俺の服を掴んだ。

ぬいぐるみと寝ていると言っていたから、探していたのだろうか。

掴んだ手を払えず、ルーナの頭を撫でた。

ルーナがいなくなったと思うと取り乱し、肝を冷やした。

行く場所がないから懐いてくれたとも思ったが、俺に好きだと言ってくれた。

ルーナは可愛い。

それどころか日に日に美しくなる。

社交界にデビューすれば、ルーナが一番綺麗だろう。

他の男が寄ってくるかもしれない。

そしたらルーナは他の男の元に行くだろうか。

それに、あのプレゼントは誰から貰ったのだろう。

そんなことを考えると、嫉妬している自分に気づく。


ルーナの横に転がり、腕枕をしてもルーナは起きない。

ルーナを腕の中に包み、いつの間にか俺も眠っていてしまっていた。




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