執事は見た
「マシュー、今は庭に行かないように。」
「何か、用事でもありますか?」
「カイル様とお嬢様が庭にいます。」
「そういうことですか。」
今、カイル様とお嬢様が二人っきりで庭にいる。
これで誰にも邪魔されないでしょう。
「ふふ、オーレンさん、カイル様を見ました。お嬢様と手を繋いで歩いてましたよ。」
「ハンナさんも見ましたか。」
「仲睦まじくて良かったですわ。」
「本当にそうです。やっとカイル様が結婚相手を決めて安心しました。」
「お嬢様は可愛らしい方ですからね。あんなに女性に優しいカイル様は初めて見ました。」
「全くです。正直あのお嬢様で安心しました。最初は驚きましたが、お優しい方みたいで良かったです。」
身分も申し分ないし、まだ少し幼さは残るが、若くて容姿も良い。
ご実家で色々あったようですが、きちんと礼も言える。
何より、お互いを大事にしている。
本当に良かった。
あとは、ファリアス公爵の妻となるのだから、16歳になれば結婚前に社交界にデビューしてもらわねば。
………。
「…ハンナさん、お嬢様はダンスはどうなのでしょうか?」
コーヒーを飲みながら休憩しているハンナさんに恐る恐る聞いてみた。
「…出来ないかもしれませんね。」
ハンナさんは笑顔を崩さず言った。
「カイル様にダンスの講師をお願いしなければなりませんね。」
「それがよろしいかと。」
流石にそろそろ部屋に戻るはず。
夕食の支度をしなければ。
ハンナさんは、コーヒーを飲んだ後、お嬢様の支度に向かった。
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