好きな気持ち
寝る前の支度をすませて、バルコニーに出るとカイル様はもうすでにいらっしゃった。
バルコニーの手すりにもたれて立っているカイル様に駆け寄って行った。
「すみません、お待たせしました。」
「今来たところだ。」
カイル様の横に立ち、私もバルコニーの手すりに手をおいた。
「寒くないか?もう冬になるぞ。」
「大丈夫です。」
カイル様は頭を撫でてくれて何だか恥ずかしくなった。
「ルーナ、今日ドワイス家に手紙を出した。明後日に行くことにする。一緒に来なさい。」
「お家に…。」
「ハッキリと婚約を伝える。16歳になるまでは婚約は出来ないから、あと2ヶ月は俺の許嫁と名乗りなさい。」
「大丈夫でしょうか?」
「心配しなくていい。一人にはさせないから。二度とあのようなことが起こらないようにする。」
「許嫁と言っていいのですか?」
「当たり前だ。」
「一緒に行きます。」
「…もう実家のことは考えなくていい。これからは好きなことをしなさい。」
好きなこと?
今は何がしたいのかわからない。
毎日カイル様のことで頭が一杯だ。
「…カイル様と一緒にいたいだけです。」
「…次の休みはまた一緒に出掛けるか?」
「一緒に行って下さるんですか?」
「ああ、毎日一緒にいよう。」
カイル様の言葉に思わず、カイル様の胸にしがみついてしまった。
一緒にいよう、と言ってくれたのが本当に嬉しかった。
「明日、頑張ってお弁当作ります。」
「楽しみだ。また入り口まで迎えに行くよ。」
カイル様はしがみついた私を嫌がらず、抱き締めてくれた。
カイル様の顔が私の顔の横にある。
思わずカイル様の頬に唇を当ててしまっていた。
「ルーナ?」
思わずとはいえ、大胆なことをしてしまった。
恥ずかしくなり、自分からカイル様から離れてしまった。
でも、言いたいことがある。
気持ちを伝えたい。
「カイル様、大好きです。…おやすみなさい。」
赤い顔を見られたくなくて、そのまま振り向き部屋へ走って帰った。
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