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ルーナと義兄ディルス

街角を見ると目を疑った。

騎士に突っ掛かってこられている女の子はルーナだった。


なんて事だ!


すぐに飛び出そうとしたが、ヒューバートが少し聞きましょう。と止めた。

真剣なヒューバートの顔に拳を握りしめ、ぐっと我慢した。




「ファリアス公爵に捨てられて街娘にでもなったか?お前はドワイス家の恥だ。女のくせに髪もボサボサで何を考えているんだ。」


いけすかない騎士に、ルーナは下を見つめていた。

ハンナは怒り言い返していた。


「お嬢様を侮辱してはいけません!カイル様がなんとおっしゃるか!」

「カイル様?ファリアス公爵から婚約の話は来ていないぞ!大体もし公爵がこんな娘を選ぶなら大したことはない!嘘も大概にしろ!騎士への侮辱だぞ!」


いけすかない騎士に、ルーナは何か言い出した。


「…めて下さい…」


ルーナ?


「やめて下さい!カイル様やハンナさんにひどいことを言わないで下さい!」


驚いた。

ルーナが俺やハンナの為に怒ったのだ。


「ヒューバート、もう我慢できん。」

「俺もです!」


俺とヒューバートは飛び出し、ルーナを殴ろうとしたいけすかない騎士の間に入った。


いけすかない騎士の手を俺が弾き、怯んだ隙にヒューバートが地面に押さえた。


「何をするんだ!」


地面にうつ伏せに抑えられた、いけすかない騎士は俺の顔を見て、青ざめた。

さっきの勢いはどこに行ったのかと思うほどだがそんなことはどうでもよかった。


「貴様所属の騎士団はあるのか?」


騎士団は名乗ることのできる所属に入っている騎士以外は王都付きのただの騎士で、ヒューバートや俺のように所属の騎士団なら少し上になる。


「俺は、第3騎士団の団長をしているカイル・ファリアスだ。」


いけすかない騎士とその連れの見ているだけだった騎士は益々青ざめていた。


「後ろの騎士はどうだ?名乗れないのか?」


ギラッと睨むと慌てて頭を下げ名乗った。


「し、失礼しました!俺達は第10騎士団所属です!彼は、彼女の義兄です!」

「ルーナの?」


気がつけば、俺はルーナを抱き寄せていた。

いつの間に!と思ったがルーナはしがみつき泣きそうなのを我慢しているのがわかった。

可哀想に、辛い思いをしたんだと思った。


「ルーナ、義兄君なのか?」

「そ、そうです!」


何故ヒューバートに押さえられている貴様が言うんだ!


「貴様には聞いてない!」

「…はい…ディルス義兄上です…」

「そうか。ディルス、ルーナは俺が婚約者候補として受け入れた。16歳になるまで婚約は出来ないがあと2ヶ月は許嫁として邸で預かる。後日正式にドワイス家に伺う。いいな!」


押さえ込んでいるヒューバートを見ると、怒っているのがわかった。


「ヒューバート、離してやれ。」

「いいんですか?腕一本位軽く折れますよ。」

「止めとけ。」


ヒューバートがディルスを離すと慌ててディルスはヒューバートから逃げるように離れた。


「この件は第10騎士団団長のバーナード様に苦言を申し入れる。騎士の恥だ!」


ディルス達二人は青ざめたまま頭を下げ走り去った。


「ルーナ、大丈夫か?」

「カイル様、すみません…私…」

「俺とハンナの為に怒ってくれたのだね。」


ルーナは糸が切れたように声を殺し泣き出した。


「ルーナ、大丈夫だ。俺がいる。」


ルーナをマントで隠すように抱き締めた。


「団長、レストランの個室でも行きましょう。ハンナさんも一緒に来て下さい。」


ヒューバートが気をきかせ、皆で近くのレストランの個室に行く事にした。

俺はルーナをマントの中に入れ、ルーナの肩を寄せると、ルーナはしがみつくようにくっついたまま二人で歩いた。


いつも読んで下さりありがとうございます(*^▽^)/★*☆♪

執筆の励みになりますので、もしよろしければ広告下の【☆☆☆☆☆】の評価をよろしくお願いいたします!

これからも、どうぞよろしくお願いいたします!

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