ヴィンスのかく語りき 2
ルーナ様は妊娠8ヶ月ぐらいになったらしい。
お腹もぽっこり出てきていた。
お腹を大事そうにさする姿は紛れもなく母親の姿だ。
今はメイド達に足浴をしてもらっている。
足浴は随分気持ちがいいと、ルーナ様はお気に入りだ。
穏やかな気持ちで過ごそうとしているのか、ルーナ様はカイル様不在に一度も泣き言は言わなかった。
恐らく帰ってくるまで言わないのではないだろうかと思う。
ルーナ様が笑顔で過ごしているのを見ると、とても愛情がなく育ったとは思えないが、時折自信がないのかと疑う時はあった。
もしかしたら、それが垣間見える時だったのだろうか。
少しヒューバートと似ていると思った。
ヒューバートも笑顔の裏が見えない。
ルーナ様も笑顔の裏で何を考えているのかわからない時がある。
今回、ルーナ様が戦のことを考えていたことも俺は気付かなかった。
だが、ヒューバートは気付いていたらしい。
カイル様も、もしかしたらと、疑っていたようだ。
気付かなかったのは俺だけだった…。
「ヴィンス様、ルーナ様はこのまま少しお休みになられるそうです。お茶のおかわりをお持ちしましょうか。」
部屋のドアが開き、メイド達が出てきた。
メイド達はルーナ様との会話が楽しいようで、三人とも笑顔だった。
お茶のおかわりを頼み、いつも通り風通しのいい廊下で読書をすることにした。
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