同居人がやって来ました
あれから2日、邸に戻りルーナはヴィンスの部屋ともう一部屋、準備すると張り切っていた。
お役に立てるように頑張ります。と言っていた。
健気だと思う。
第3騎士団の管轄にもケネスの相手がいたらしく調書をとっているが、あまり進まない。
相手が女性ということもあり、女性の騎士が調書をとった方がいいと決まり、臨時で女性の騎士も来ることになった。
ヴィンスと共に、明日やって来る。
臨時で来るのは、フィーネル伯爵の娘のシャロンだ。
シャロンは子供の時から知っている。
伯爵は父の友人だったから。
そして、シャロンは臨時で来る間、邸に住むことになった。
騎士の宿舎は男ばかりでさすがに女は住ませられない。
明日から、一週間ほど邸に滞在することになる。
シャロンが邸に来るのは何年ぶりかだ。
両親がいなくなってから、伯爵とは挨拶状ぐらいの付き合いだったから。
結婚式でも挨拶ぐらいの関係になっていた。
そして、ヴィンスとシャロンが騎士団にやって来た。
二人とも真面目でよく働く。
「ヴィンス、シャロン。定時だ。邸に帰るぞ。」
ヴィンスは、はい、と言ったがシャロンはまだ終わっていないようだった。
「もう少し待って頂いていいですか?書類を片付けたいのですが。」
「なるべく早くしなさい。」
さすがに初日から置いて帰れない為、少し待つことにした。
やっと終わらせて帰っていると、ヒューバートがシャロンに言った。
「シャロンさん、団長はなるべく定時で帰りますから。」
「定時で?以前はあまり帰らないと聞きましたが…」
「ルーナさんが待ってますから、早く帰りたいんですよ。」
「…そうですか。」
邸に帰るといつも通り、ルーナが玄関で出迎えていた。
「今帰った。今日も変わりなかったか?」
「はい、お帰りなさいませ。お部屋の準備も整いました。」
「助かる。ルーナありがとう。では、案内をしよう。」
部屋を見るとしっかり準備しており、正直感心した。
オーレンもルーナがしっかり家具を選び準備したと感心していた。
「邸の皆で運びました。重いものはマシューさんも手伝って下さいました。ヴィンス様、シャロン様どうですか?他に何か必要なものがありましたら言って下さいね。」
両手を合わせ、ルーナは可愛く聞いていた。
「感激です。こんな部屋まで準備して下さってありがとうございます。」
ヴィンスは感動していた。
シャロンは無表情だった。
「シャロン、どうした?気に入らないか?」
「いえ、邸のことはカイル様が準備されると思っていましたので。」
「俺は仕事に行っていただろう。邸のことはルーナの好きにさせている。」
「そうですか。」
久しぶりに会ったがシャロンは相変わらず、真面目な感じだった。