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真夜中にヒューバート様は笑う

ルーベンス様と合流し、騎士団に行くと医務室にルイス夫人がいた。


「ルーナ、どうだ?」


フワフワのピンクの髪にあの赤いドレス。

顔こそ見えなかったけど、間違いないと思った。


「カイル様、この方で間違いないと思います。」


私が確認すると、カイル様やルーベンス様はライナス様と合流するらしい。

騎士団の一室にライナス様が見張るようにケネス様といるらしい。


「ヒューバート、俺はケネスの所に行って来るから、ルーナといてくれ。」


カイル様はルーベンス様と行ってしまった。


「ヒューバート様、ルイス様は大丈夫でしょうか?」

「薬が抜けたら大丈夫でしょう。」

「どうして薬を使ったのでしょうか?」

「ゴドウィン男爵とは政略結婚でルイス様は男爵を嫌っていたそうですよ。ルイス様は浮気もしていたようですし、相手がケネスで運が悪かったですね。」


でも、先ほど廊下で見たゴドウィン男爵は項垂れているように見えたけど、ルイス様を心配していたわ。


悪い人には見えなかった。

どちらかというとケネス様の方が嫌な雰囲気だったわ。


「ルイス様は本気でケネス様が好きだったのでしょうか?」

「それはないでしょう。浮気に丁度良かったのでは。それにゴドウィン男爵とルイス様は歳も離れていますし色々あるのでしょう。」


その時、ルイス様の目が覚めた。


「ヒューバート様、ルイス様が目覚めました。」


目覚めたルイス様にゴドウィン男爵をお呼びしましょうか。と聞くと嫌そうに呼ばなくていい。と言われた。


「あなたはどなたですか?」


名乗ろうとすると、ヒューバート様が紹介した。


「こちらは騎士団長カイル・ファリアス公爵様の奥方のルーナ様です。無礼のないように。」


ルイス様は紹介された私をじっと見た。


「あなたがファリアス公爵様の…あなたはいいわね。歳の差があっても嫁いだ先があんなに素敵な方で。」


「ルイス様、無礼のないようにと言ったはずです。…それにあなたではカイル団長はお気に召しませんよ。」


「ヒューバート様、ルイス様は今弱っていますので…」

「妬みを聞く必要はないですよ。」


ルイス様は反対にゴロンと転がり一言呟いた。


「…まだ眠りたいわ。」

「なら、眠り薬をどうぞ。」


ヒューバート様が出した眠り薬を飲み、そして、ルイス様はまた眠ってしまった。


「ルーナさん、本当に気にすることないですよ。ルーナさんとは違いますから。大体、ゴドウィン男爵はルイス様を大事にしたかったと思いますよ。それをルイス様は受け入れなかったのです。」


「でももしかしたら、カイル様なら上手くいったのでしょうか。」

「それこそあり得ません。団長はルーナさん以外好きになりませんから。仮にルイス様が婚約者候補として来ても結婚どころか婚約にもたどり着けません。」


ヒューバート様は淡々と少し笑みを浮かべて言った。

そして、自惚れかもしれないが確かに私もそう思ってしまった。


カイル様も邸の皆も私を大事にして下さる。

あんなに大事にされるのは初めてのことだから比べようがないけど、カイル様に愛されてはいるのを感じる。

時々おかしいけど。


「それに、例えば、ルーナさんが婚約者候補として来なくても、もしどこかでルーナさんを見れば、団長は一目惚れすると思いますよ。絶対奪いに来ます。」

「奪いに来ますか?それは普通なのですか?」


ヒューバート様は笑っていた。


「どちらかというと変人ですね。いや、変態かもしれません。」


ヒューバート様が笑っていると、ドアが開きカイル様が入って来た。


本当に無表情だった。

青筋が見えそうだった。


「誰が変態だ。ドアの向こうまで変態と聞こえたぞ。」


「あの、カイル様、例えばの話です。」


カイル様、大丈夫ですよ。

私は変態と思ってませんから。


「…ヒューバート、ルーナに変なことを教えるな。」


ヒューバート様はハイハイ、と気にしてなかった。


「ルーナ、真夜中に悪かったな。今夜はもう帰って休もう。」

「はい。」

「明日は午前は仕事だが、昼は何か好きなものを一緒に食べて邸に帰ろう。」


何だか、疲れた1日だったけど、やっと終わる。


そして、宿に帰り、二人で疲れを癒すように眠った。





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