始まり(1)
最近家に虫が出過ぎて、家がキ〇チョール臭くなってきて換気しようと思ったけど窓を開ければ熱風が。そんなこんなでどうしようか思い悩んでいる今日この頃です。
では、本編どうぞ。
昼休み、午前中の授業が終わった四人は屋上のベンチでお昼ご飯を食べていた。この学校は珍しく屋上が自由解放している学校でそういう点で他の学校よりも人気が高かった。
「他人の金で食う飯はうまいなー」
「おっさんみたいなこと言うんじゃねえよ」
凛以外は購買でそれぞれパンを蓮の金で買って食べていた。
「凛ちゃんいっつもお弁当自分で作ってて大変じゃないの?」
「別に、最初はちょっと大変だったけど慣れればそうでもないわよ」
「ほんとー?私も作ろっかなー。こう君はどう?私にお弁当作ってほしい?」
「別に、どっちでもいい」
「おいおい、こう。せっかく愛妻弁当作ってもらえるかもしれないんだぞ?素直にほしいって言っとけよ」
「誰が愛妻弁当だ!ゆうが作っても愛妻弁当にはならないだろ!」
「まあまあ、そうかっかすんなって」
蓮は康貴の反応を見てケラケラ笑っている。
「私は自分の分しか作ってないから分からないけど二人分作るとなると結構きついかもしれないわよ?」
「こう君のためだったら早起きぐらい朝飯前だよ」
「本当に朝飯前ね」
「どうでもいいことに突っ込むなよ...というかおれは別にいらないって。ゆうが苦労してまで俺の弁当を作ってもらいたくはない」
「妻思いのいい夫だなあ」
「夫じゃねえよ!」
「じゃあ子供?」
「くそっ、言い返せない」
康貴は夕夏にまるで子供のように世話をされているので返す言葉が無かった。
「大丈夫だよこう君!いつまでも養ってあげるよ!」
「いいよ!結構だよ!遠慮するよ!そんな意気込まなくていいから!」
「あら、女の子にここまで言わせておいてその言い方はないんじゃない」
「いや、別に今のプロポーズとかじゃないだろ!そりゃそうとれる言い方だったけど...おいそこ!頬を赤らめるんじゃない!」
「はっはっは!早く飯食わねえと昼休み終わっちまうぞー」
「ことの発端はお前だからな!?」
「はいはい、早く食べるー」
康貴はやるせない気持ちになりながらもパンを食べた。
・・・・・・・・・・・・
放課後、6時限目が体育で疲れたから朝言い渡された書類整理をバックレようかとも思ったが、次の日が怖いので康貴は大人しく職員室に向かった。
「岩村先生いますかー」
職員室のドアを開け声を出す。
「おおー新川ー鍵渡すから理科準備室で待ってろ」
そう言って先生は理科準備室の鍵を康貴に渡して自分のデスクに戻った。
康貴は言われた通り二階の理科準備室の鍵を開け、中で先生が来るのを待った。
「汚いテーブルだな」
理科準備室のテーブルの上には紙が散らばっていてとてもどれがどれか分かるような状態では無かった。
「はあ、これを整理させられるのか」
考えるだけで憂鬱になった康貴は思わずため息を付いた。
・・・・・・・・・・・・
暫くして先生が来たので色々と聞きながら作業を進める。
「ん?先生俺この小テストやった覚えないんですが?」
康貴は入学してからまだ一回も休んでいないし理系を専攻しているので理系科目の小テストでやっていない物はないはずだ。
「ああ、それ次の授業の時にやるやつ」
サラッと何でもないことの様に言った。
「あんた、生徒になんてもん見せてんだ!」
「あ?いいだろ別に私の担当教科だし、どうせお前満点取るだろ?」
「だとしてもだよ!あんたほんとに教師か!?」
「教師だ!」
「うぜえ」
「何だ、教師に向かってその口の利き方は」
「はあ、もういいや」
呆れ果てた康貴はもう何も考えずに書類整理をすることにした。
・・・・・・・・・・・・
やっとのことで書類整理が終わった時にはもう部活動をしている連中も片付け始めているような時間になったていた。
「とっとと帰るか」
家では晩御飯を準備して夕夏が待っているはずだ。それに今日はチーズインハンバーグを作ってくれるらしいし。
そう考えて外靴に履き替え校舎を出ようとした時。
「あの!」
と、後ろから大きな声で呼び止める声が聞こえた。一瞬自分ではなく他の人に声を掛けたのではないかと迷ったが。他に人の気配はないし後ろを振り向いた。
「何か?」
後ろを向くと眼鏡をかけたおさげの女の子とショートカットの気の強そうな女の子が立っていた。二人ともこちらを向いていたため最初の迷いは杞憂だったようだ。
「あの、少しお話があるんですけど」
気の弱そうなおさげの女の子が言う。
「まあ、そんなに時間取らないならいいけど。場所移した方がいい?」
何の話か分からないのでそう提案する。
女の子はキョロキョロしてから
「いえ、ここで大丈夫です」
「そう、で、話って?」
「えっと、そ、その」
俯いて言い淀む女の子。
「ほら、早く言っちゃいなさい」
もう一人の女の子がせかす。
「う、うん」
女の子は意を決したように顔を上げ。
「好きです!付き合ってください!」
女の子の直球なその言葉に康貴は絶句し、硬直した。
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