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お出かけ(デートとも言う)1

 いつも通りのさぼり具合な今日この頃です。いや~、結構日常を書くって難しいですね。もう一つ異世界転移物を書いていますが、そちらの方が自由度が高くて書きやすく感じています。この作品を書こうと思った時は日常の方が身近だから簡単だと思ってたんですけどね~。


 と、まあ、ぐちぐち言うのはここら辺にしておいて、本編どうぞ。

 「それじゃぁ、レッツゴ~」


 土曜日の朝一、新川家に夕夏の元気な声が響く。映画を見に行く当日、いつも通りちゃっかりベランダから侵入した夕夏は朝6時にも関わらず康貴を眠りから呼び覚ました。康貴としてはもっと寝ていたかったようだが、康貴の予想以上に夕夏は予定を詰めたらしく、朝早くから起こしに来たようだ。


 「まだ朝飯も食べてないのに出るのか?」


 夕夏に無理やり起こされ、少し不機嫌ではあるが、とりあえず身支度は済ませた康貴が問う。


 「大丈夫!朝ご飯も外で食べるから!」


 「あ、そう」


 どうやら夕夏の予定は想像よりもはるかに詰め詰めのようである。


 「それじゃあ、おばさん行ってきますね~」


 「は~い気を付けてね~」


 リビングにいる康貴の母に声を掛け、二人は家を出た。


 「で、朝飯はどこで食べるんだ?」


 「近くの喫茶店のモーニングを食べようかなって」


 「ああ、あそこか結構評判良いもんな」


 「うん!一回行きたかったの」


 「そうか、じゃあお腹空いたし早く行こう」


 「あ、ちょっと待って」


 早歩きで進みだす康貴の手を夕夏が取った。


 「手、繋いでいこ?」


 「別にいいけど、ジメジメする」


 康貴は特に恥ずかしがることも無く、むしろ苦情を言った。


 「もう、そんなこと言わないで?」


 夕夏は、苦笑しながら康貴の手を握り直した。恋人つなぎに。




 「そういえば、上映時間は何時からなんだ?」


 喫茶店でモーニングを食べながら康貴が言う。今回のお出かけの内容は時間まで全て夕夏に一任しているため、康貴は予定を全く知らない。


 「ん~ほへ~...」


 「飲み込んでからでいいから」


 「ごくん。確か10時半だったかな」


 「まだ、二時間はあるな。食べ終わったらどこ行くんだ?」


 「商店街を周ろうかなと思って」


 「ん、了解」


 康貴達の家の周りには結構色々とあり、様々な施設関係で不自由をすることはほとんどない。駅も徒歩五分ほどの場所にあるため、遠出も意外としやすい。今回は、わざわざ電車を使う必要が無い位置に映画館があるため、映画館には徒歩で向かう。今から行く商店街というのは映画館までのルートの中にあるため、遠回りにはならない。


 「ねえ、こうくん」


 「ん?何?」


 「あーん」


 夕夏は突然モーニングの料理を康貴の口元に運んできた。しかし、康貴はその突然の行動に戸惑うことなく、運ばれてきた料理にぱくつく。さっきまで夕夏が使っていたフォークに乗って運ばれてきたので当然それは間接キスになるわけだが、いつものごとく二人が羞恥を見せることは無かった。夕夏は相変わらずの満面の笑みで、康貴は無表情だ。


 「おいしい?」


 「同じものを頼んだんだから同じ味がする」


 「そっか~」


 素っ気ない返しだが、夕夏はそれで満足した。何故なら、今までは「あーん」に応えてくれなかったのだから。




 「わ~、これ見て~可愛くない?」


 「可愛いな」


 商店街の雑貨屋で夕夏が手にしていたのはモフモフしたウサギのぬいぐるみだ。それを、美少女である夕夏が持っているので、更に可愛く見える。相乗効果という言葉の分かり易い例がすぐそこにあるようだ。


 夕夏は、キラキラした目でウサギのぬいぐるみを見ており、まるで小さい子供の用だ。その様子を同じくお店にいた大学生くらいのカップルが見ており、女性の方は口元が緩み、男性の方はどうやら見とれているようだ。その様子に気付いた女性が男性の足を踏みつけている。


 痛がる男性の様子を康貴が冷たい目で見ていると、夕夏がウサギのぬいぐるみを商品棚に戻した。


 「買わなくていいのか?」


 「うん、ああゆうのはもう見てるだけで充分」


 その時少しだけ夕夏が寂しそうな顔をしたのを見て、康貴は昔夕夏がぬいぐるみにたくさん囲まれて遊んでいたのを思い出した。康貴と一緒に。


 「次のお店いこっか!」


 「俺はもう少し見てから行く。先に行っといてくれ」


 「え?だったら私も一緒に見るよ?」


 「いや、先に行ってくれ」


 「そう?分かった。向かいのお店にいるね」


 「うん」




 「わー!急がないとー!」


 二人は現在映画館までドタバタと走っている。商店街のいろんなお店に夢中になりすぎて、時間管理を忘れていたのだ。


 「まあ、間に合わなかったとしても一日に何回も上映しているようだしずらせばいいんじゃないか?」


 「それだとせっかく立てた予定が狂っちゃうよ~」


 「別に決めた通りに行動する必要はないだろ?」


 「駄目っ!こうくんと行きたいところいっぱいあるの!」


 「さいですか...」


 そう言われては何も言えないので、康貴は大人しく映画館までダッシュすることに決めた。

 ブックマークや評価、感想をしていただけるとモチベに繋がります。してやってもいいだろうという方は是非お願いします。


 後書きにキャラクター達の会話を載せようと考えているのですが、迷っているのでご意見の程頂ければと思います。

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