リア充の巣窟
最近武器の厳選がめんどくさいガンゲーをやっているのですが、そのゲームの厳選をやっているとポケモンの厳選が楽で楽で仕方ないと感じるようになった今日この頃です。今作のポケモンは厳選とか努力値振りとかメチャクチャ楽になりましたよね。
では、本編どうぞ。
「マッグ行こう」
「突然どうした?」
四人揃って下校している途中で康貴が突然そんな事を言い始めたので、蓮が思わず立ち止まって聞き返す。
「いや、今思い出したんだが、凛がマッグ奢ると言っていたよな?」
「そんな事言ったかしら?」
「言ってたな」
「言ってたねえ」
凛はとぼけたが、康貴以外に二人の証人がいたため、凛の奢りでマッグに行くことが決定した。
「どうして余計なことは覚えてるのかしらね」
凛がそう悪態をつくが、自分が言ったことなので自業自得だ。
四人は通学路からは少しずれるが、一番近いマッグに入店する。
「いらっしゃいませー」
飲食店お決まりの店員の元気な掛け声が飛んでくる。店内はピークを過ぎ、客足が落ち着いているのか、大学生くらいの暇を持て余したカップルがチラホラいる程度だ。
四人は適当に注文して、客が少ないのですぐに品を受け取ることができた。ちなみに蓮は自腹だ。凛が言うには自分は昼ご飯を奢ってもらってないからだそうだ。
「そういえば、そろそろ期末テストね。ゆう、勉強のほうは大丈夫なの?」
空いている席に腰を落ち着け、脈絡もなく凛が言った。
「・・・・・・」
「目を逸らさない」
夕夏が目を逸らしながらポテトをポリポリと食べ始める。
「はあ、明日勉強会でもしようか」
ため息を付きながら凛が言った。
「いいんじゃないか?まあ、ほぼほぼゆうのためだけの勉強会だろうけど」
中学生のころからやっていたので康貴はすぐに同意する。夕夏のためだけというのは夕夏以外の三人は勉強が人並み以上に出来るからだ。
「うー、勉強嫌だよー」
ポテトを口に咥えたまま夕夏がぐでーっとなる。
「中学は義務教育だったから問題なかったけど、高校は留年があるのよ?康貴君と離れ離れになってもいいのかしら?」
「駄目っ!」
がばっと勢いよく夕夏が起き上がる。それなりに大きい声を出したので周りの大学生カップルがビクッとなっていた。
「じゃあ、頑張ってやろうね」
「うん!」
本当は留年するほど夕夏の学力は低くないのだがやる気になっているようなので誰も指摘はしなかった。
「早く食べないと冷めてきてるぞー」
二人が喋っている間にハンバーガーを食べ終えた康貴が言う。口の端にソースを付けながら。
「あ、こう君口にソース付いてるよ」
康貴の正面に座っていた夕夏がすぐに気づき指摘する。
「ちょっと待ってね」
夕夏はそう言うと、懐からハンカチを取り出した。
「ほら、顔寄せて」
「ん」
康貴が顔を夕夏の方に寄せる。夕夏も机に乗り出して、康貴の顔に腕を伸ばした。
「はあ、仲睦まじいことで...」
普通の高校生なら多少は恥じらいを持つような行為を平気でやる二人を見て、蓮が溜息付きながら呟く。
そんな蓮の顔を凛はチラチラ見ていた。とは言っても本人に気付かれるくらい隠しきれない物だったが。
「何だよ?」
蓮に声を掛けられても凛は蓮の顔、というより口元をチラチラ見ている。どうやら声を掛けられていることに気付いていないようだ。
「おい、何なんだよ」
「へっ、い、いや、何でもないわよ」
やっと声を掛けられていることに気付いた凛が勢いよく目を逸らす。
「どうしたの?」
康貴の口を拭き終わり、蓮と凛の微妙な空気に気付いた夕夏が声を掛ける。
「な、何でもないわ」
少し動揺を収め、言葉を返した凛だったが、夕夏は蓮の顔を見た瞬間その言葉が嘘だと分かった。
夕夏は、ははーんと声が聞こえてきそうな顔をして凛の顔を見た。
「何よ」
「いいの?」
「だから何がよ」
「ハンカチ貸すよ?」
「い、いらないわよ」
そう言うと凛は夕夏でも蓮でもない方向に目を逸らす。
「そっかー。蓮君、口にソース付いてるよ」
「え、マジで?取ってくるわ」
そう言うと蓮は席を立った。
「良かったの?」
夕夏が凛に心配したような声を掛ける。
「良く、はないかもしれない...」
小声でぼそぼそと言う。
「素直になればいいのに」
「無理よ。みんながみんな貴方達みたいに出来る訳じゃ無いの」
そう言うと、凛はモソモソとポテトを食べ始めた。
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書いてて思ったんですけど、マックで「いらっしゃいませ」って中々聞かない気がします。夜とか、人の少ない時だったら聞く気がしますけどね。いや、マックとマッグは違いますけど、ええ。