後
「……」
久しぶりに訪れた舞の墓の前で両手を合わせる。
上手くいきそうだって言ってから報告遅れちまったな。あれから一年くらい経ってやっと時間取れた。
改めて言うけどお前に会えて本当によかった。
舞、お前に出会えていなかったら今頃、俺はつまらない人生を歩んで、灰色の生活を送っていたんだろうな。
舞のお陰で立ち直れたし、前を向く強さを知れた。本当に感謝してる。
知ってたか?俺、本当は2度目の人生を歩んでいたんだぜ。だから俺は10くらい年下の女の子に恋していたことになる。ははは、現実だったら今頃捕まってるな。
そんな年上の俺だったけど、断然お前の方が大人だった。強く前を向いて人を癒して優しく労われて、見てて眩しかった。
お前の曲を残したくて一生懸命頑張ってきたけど、やっと終わったよ。
お前に出会わなければ絶対辿り着けなかったし、お前のおかげで目指そうと思えた。
本当に、2度目の人生はきっとお前と出会うために神様がくれたんだろうな。
お前と出会ったことで全てが変わった。すべてか色濃く過ぎていった。
本当幸せで大切な時間を送らせてくれてありがとうな。
今お前はどこから見てるんだ?まあ、いいや、やっと終わったんだ、お前もゆっくり休んでくれ。俺もしばらく休むからさ。
じゃあな、大好きだよ、舞。
舞のお墓を後にして、俺は止めていた車に乗る。エンジンをかけるとラジオの放送が聞こえてきた。
『今週も音楽再生数ランキング1位はこの曲!タイトル不明、歌手不明、作詞者不明と謎に包まれ、唯一判明していることは、作曲者が七瀬舞という方であることだけ。いやー、それにしても本当に謎に包まれていますね。そんな謎に包まれているこの曲ですが、公開されてその週の週間ランキングで1位をとってからずっと1位を取り続けています。今では多くのCMに起用され、ドラマの曲にも。日本で知らない人の方が少ないと言えるでしょう。お、準備が出来たようです。それでは、お聞きください、どうぞ!!』
終
最後までこの作品を読んで下さりありがとうございます。
決してハッピーエンドとは呼べませんが、それでも納得出来る終わり方を書いたつもりです。
この作品は舞との出会いを通して楽の人生がどう変化するかに焦点をおいて書きました。楽が舞の死を経験し、1度目の時よりも必死に努力した結果が成功に繋がりました。
成功には必ず犠牲が存在していています。時間然り、人間関係然り。何かを捧げてまでもやり遂げたいと思えるなら、それは必ず叶うのです。
少しでもこの話を読んで頑張ってみようと思ってもらえたら、嬉しいです。
この作品を読んでどう考えたとか、どう感じたなど、思ったことを感想で聞かせて下さい。
筆者の自己満足の小説を読んでくださり本当にありがとうございましたヽ(*´∀`)ノ