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【猿でも】遺伝子組み換えとゲノム編集の違い【わかる】

作者: 林太郎

茶番がしばらく続くので、不要な方はスクロールして!!!本題!!!と書いてある部分を探してください。


高2の私が理解できた範囲での説明ですから、高度な知識は得られません。基礎知識です。これ以上を求める方は、大学が出してる解説文を探して読まれると良いと思います。


これは言い訳ですが、生物の学習が終了していないため不適当な解説が見られると思います。また、分かりやすくするために、わざと不正確なことを書いていることもあります。

「こいつ根本的にわかってねぇな」と思いましたら、その都度指摘して下さるとありがたいです。


M子は朝食のパンをかじりながら、ゲノム編集のニュースを見ていた。


彼女は文系だったので、何がどういう仕組みなのかはわからない。しかし映像の中のマダイは丸々と太っている。肉厚である。


(いいじゃん、これ!)M子は思った。


映像は流れ鯛が安く手にはいることも教えてくれる。さらにジャガイモの毒を無くすことができるらしい。つまり芽をとらなくてすむのだ。


(やるなぁ理系。私もそっちにいけばよかったかしら?)


残念なことに彼女は高校の文理選択を去年済ませたところである。理系が挫折して文系になることはあれど、文系が理系になったと言う話は聞いたことがない。彼女はちょっと後悔した。


ゲノム編集を褒め称える内容は終わった。安全性への言及が始まる。新技術が開発されたときには必ず必要なことである。


彼女にはどういうわけかはわからなかったが、安全らしいということは理解した。しかし何となくモヤモヤが残る。


そして遺伝子組み換え食品と違ってゲノム編集食品は表示の義務が課せられないという情報に、彼女のモヤモヤは膨れ上がった。


いくら便利とはいえ口に入るもの。人がなんかやってできた産物が口から入り消化され、血となり肉となる。しかも人工的な生物にもかかわらず、「自然食品です」って顔をしながらスーパーに並ぶ。


便利なのは認める。しかし信用できないのも事実。


ゲノム編集食品って、良いの?悪いの?あと遺伝子組み換え食品と何が違うの?


その疑問は解決できない。検索しても専門用語だらけの解説文。ゲノム編集食品に批判的な人が書いた、もしくは肯定的な人が書いたとはっきりわかる、超主観的な文章。


中立の立場から簡単な言葉で説明してくれる人はこの広い広いネット社会にはいないようだ。


しかし彼女は知っている。ホームルーム教室で彼女の隣に座る陰キャ、林太郎は生物選択であることを。


(ダメもとで聞いてみっか)


彼女は学校へ向かった。








!!!本題!!!


 

 




二年A組の教室にはいると、彼女の席のとなりに林太郎は既にいた。


足早にかけていって自分の机にカバンを乱暴において第一声。


「ゲノム編集食品と遺伝子組み換え食品って何が違うの?」


「おっけー。めちゃくちゃ簡単に話すね。つまり専門的には話せないから、本当の仕組みとビミョーに違うんだけど、あとで怒らないでね?じゃあ話すね」


彼は物分かりがいい。


「まず遺伝子組み換え。

 

遺伝子組み換えにはいくつかの種類があるんだけど、問題視されているのは別の生物のDNAをトウモロコシとかのDNAにぶちこむタイプ。


ある生物のDNAに別の生物のDNAが入り込むなんて、自然界では起こらないことだから危ないんじゃないかって指摘されてる。


人工的な生物って言ってもたぶん差し支えないからね、危ない感じがする。けど危なくない気もする。


メリットは作物が病気になりにくくなったり、成長すんのが速くなったり、寒さに強くなったり、暑さに強くなったり、栄養が増したり。


家計にはきっと優しいし、次に言うデメリットを気にしなければ健康にもいいよ。



デメリットは健康への不信感。まだ確かなことは言えないんだ。なにせ、技術がまだ若いからね。


でも食べると癌になりやすいとかいうデータもある。


検査された食品は安全だと思うな。あと何十年か経ったときにどうなるかはわからない。さっき言った、技術が若いってこういうことね。iPS細胞と同じ。


何がなんでも健康でいたいなら食べない方がいいんじゃない?俺は食べるけど。




次にゲノム編集。先に断っておくけど、()()()()()()()()()()()()()()と遺伝子組み換え食品とは別物だから、そこんとこよろしく。


ゲノム編集にも二種類ある。

一つ目が今朝ニュースでやってた、タイとかジャガイモとか。

二つ目はまだ出回ってない。


というのも、二つ目の出回ってない方は、いいかい、二つ目の!出回ってない方!は!


遺伝子組み換えと同じように本来その生物のものじゃないDNAをその生物のDNAの中にぶちこむんだ。


しつこいようだけど、出回ってない方ね。たぶん出回る予定もない。知らんけど。



んで一つ目!


これが遺伝子組み換えと全然違うわけよ。


別の生物のDNAをぶちこんだりしないんだ。


必要なのはゲノム編集したいDNAとDNAを切るためのハサミ。


DNAってのは生物の設計図だ。トイレがあって風呂があってこっちは和室、これが窓、みたいな。思い浮かべてね。DNAが二重螺旋って知ってる人は一回それを忘れてね。


その設計図の、例えばキッチンの部分をハサミで切り取ってみてよ。


キッチンが無くなったね。このままだとキッチンの無い家ができることになる。


これじゃあ困るから大工さんは切り取られたキッチンの部分を探してセロハンテープでくっつけるんだ。くっつけたキッチンはさっき切り取ったヤツね。切断面がぴったりハマるからくっつけやすいんだ。


でも君はもう一度ハサミでキッチンを切り取る。すると大工さんは設計図を修復する。


君は切り取る、大工さんは直す...。


これを何回も繰り返してると、大工さんのメンタルがやられるわけ。


わかった。キッチンはなくていいよ、って。


そうすると設計図にキッチンは無いんだから、キッチンの無い家が完成する。

これがゲノム編集さ。




じゃあ例えをもとに戻していくね。


さっき言ったキッチンが、ジャガイモが毒を作る場所だ。


毒を作る場所をどうにか設計図から消そうと頑張るのは専門の方々。 


といっても、例のハサミはキッチンを切り取るためだけに作られたハサミだから()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

てか、他の場所なんて切り取れない。ここ重要。


そして毒を作る場所が消えた設計図がゲノム編集後のDNAというわけだ。


このDNAには毒を作る場所についての情報なんて無いから、出来上がった家、つまりジャガイモには毒を作る部分がない。


だから、毒を持たないジャガイモができる!こういうわけだね。


メリットは今みたいなジャガイモと、でかいタイとでかいフグと...。これによって食品が安くなると思うね。  


デメリットは正直見当たらない。


自然界でも特定のDNA、設計図の一部が働かなくなることは、珍しくないんだ。


アルビノって聞いたことあるでしょ?メラニンって色素に関わってくるDNAが働かなくなったから、ああいう容姿になるんだ。ウーパールーパーはみんなそうだね。


あいつらを揚げて食べると美味しいらしい。健康に害はないね。


こっからは主観的な意見だけど、不安な人がいる以上、ゲノム編集食品ですって表示はするべきだと思うね。     以上!」


「ふーん」M子は悩ましい顔をして言った。


「自然にある、ないで安全性を判断してるけど、それってどうなの?」


林太郎は少し笑う。


「俺がさっきから使ってた、自然って言葉の意味だけど、これは普段食べてるヤツのことを指してた。

そういう食品ならなにも問題はないでしょ?」


「でもその操作されたDNAが体の中にたまってって、最後には毒になるかもじゃん?」


「それは、ない。あり得ない」林太郎は断言した。


「DNAを食べたら、フツーに消化される。ざっくり言うと他の食品、例えばお肉の脂肪と同じようにアミノ酸に分解されて吸収されるだけです。

編集したDNAだけが都合よく生き残るわけないし、分解されてできたアミノ酸なんて、身体中にありふれてるからなんの問題もない」


「ふーん」M子は言った。話を聞いてもやっぱりつまらなそうだ。


「結局、ゲノム編集って良いの?悪いの?」


「良いか悪いかの判断はとても主観的だっていうことを頭に置いてから聞いて」


M子は表情を変えない。


「置いた。どっちだと()()?」


林太郎はにやりとした。頭いいじゃんこの子。


「俺は良いと()()。が、遺伝子組み換えには肯定的にはなれない。君は?」


「私は悪いと()()


「なんで?」林太郎は何の気なしに聞いた。


「何となく、かな。あ、これ意見じゃないから。とっても主観的な、社会がゲノム編集を嫌う傾向になれば良いのになっていう希望が入った、意見ではない何かだから。そこんとこよろしく。あと、遺伝子組み換えはそんなに悪いものでも無いかなって気がする」


林太郎はM子が気になり出していた。ギャルっぽい見た目だけれど、思考レベルは中々に高い。


「それにさー」M子は言う。


「半々にしとかないと、この文章の客観性が失われちゃうでしょ?」








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