雪色
僕が12歳のことだ。
僕は、大阪にいた。
そのため、あまり雪は降らなかった。
天気予報では、何度も「今日は雪が降るだろう」と、言われてきたが、降るときはあるが、あまり降らない。降っても積もりはしない。
だから、吹雪はどんな感じなのかわからない。
テレビでは、何度も見たことがあるが、本当に真っ白なのかわからない。
だが、そんなとき親の都合で、北海道に行くことがあった。しかも、真冬だった。
そして、雪をみた。
吹雪だった。
その吹雪は本当に真っ白であり、前も見えないほどだった。
それが、とても綺麗で、美しかった。
だが、その感情も一瞬で消える。
車は滑る。ブレーキがきかない。
車が止まらない。
事故り放題だった。たが、幸運なことに事故った人は、無傷だ。
早く家に戻りたかった。部屋に戻りたい。もう二度と雪を見たくない。
記憶を消したい。
部屋に戻り、布団をがぶり、外を見ないようにした。
僕は雪が嫌いだ。吹雪が嫌いだ。