~語り手~ 休憩
「と、ふぅ。今回はこの辺りにしておきましょうか。」
女性が本を閉じる。
「この本は少女、フリージアとまじんさんのお話よ。どうかしら?」
どういわれてもまだ始まったばかりで何も判断できない。
「ふふ、そうよね。まだわからないわよね。」
女性は優しげな瞳でこちらを見ている。
ふと考える。
そういえばこの女性は自分にとってどういう人物なんだろうか。
語り手と言っていたが、それが何を意味する人なのか私には想像もつかない。話を聞かせる仕事だろうか?
いろいろ考えていると、ひどく眠くなっていた。
身体が疲れているのかもしれない。少し眠ろう。
私は目をつむり、身体の力を抜く。思った以上に力が入っていたようだ。
薄れ行く意識の中で彼女が声が聞こえた。
「この話はまだ始まったばかり。もう少しお話に付き合ってもらうわ。」
第一章の締めになります。
語り手の話は全体的に短めになってしまうので、こんなことで1話使ってしまっていいものか悩みものです。
二人の出会いから物語は進み始めるのでまだまだ序盤の序盤です。
楽しんでいただければ幸いです。
これから先もいくつかギミックを考えているので読んでいただけると大変嬉しいです。
また、簡単でもいいので感想や評価がもらえると励みになります。