折れずに生きてきて偉かった、と、今は自分で自分を褒めてあげたいと思います。
あの日、あの時、愛していた人から告げられた関係の終わりに――絶望し、世界は色を失った。
ただそれでも時は流れて。
多くのものが移ろいゆく中で。
大切なものを失った悲しみもほんの少しずつ姿を変えていった。
……そうして今、私の見ている世界は、また色を取り戻し始めている。
何を求めればいいのか。
何を愛すればいいのか。
それすらも分からなくなって。
一度は生きていることすら虚しく感じられるほどだった。
それでも、何とか一歩ずつ前へ進んで、懸命に息をして――それで今日まで生き延びた。
辛くても、傷ついても、完全には折れてしまわなかったこと。そこに関しては自分で自分を褒めたい気分だ。自画自賛なんてと笑われるかもしれないけれど。それでも、あの時何とか生き延びた自分に称賛の言葉をかけたいし、そのくらいのことはしても罪ではないはずだ。どんな状態でも、どんな傷を負っても、ここまで歩いてきたのだから。
いろんなことを乗り越えてきて偉かったね。
今だけはそう言おう。
自分に自分で。
他者から見れば馬鹿げているかもしれないけれどそれでもいい。
吹き抜ける風が頬を撫でていく心地よさ。
揺れる木々の瑞々しさ。
見上げた空の澄んだ青さ。
今は、そのすべてが、ただひたすらに愛おしい。
◆終わり◆




