そして終幕へ
青森の港から青森空港までは、タクシーで六千円程度。
タクシーの運転手さん曰く「港から山まで行くようなものだから」
金で解決するつもりの娘、もちろんタクシー代をケチらない。
だが時間的な問題があった。
フェリーの到着が6時ごろ、飛行機の登場締め切りは7時25分。
間に合わなくはないけれどタイトなスケジュールである。
なのに、青森港を降りたら、こちらも見事な雪景色だった。
千歳の大雪みたいに積もっているわけじゃないけれど、道路はどこまで行ってもアイスバーン。
もちろん中央線は見えないし、冬仕様のタイヤ履いててもスピードは出せない。
あんまり運転が得意じゃない俺なんかは、もうそれだけで不安になるんだけど、それでもタクシーの運転手さんは親切で、安全運転かつスムーズに空港まで走ってくれた。
搭乗手続きも余裕。
もちろん空港も雪と氷に覆われていて、除雪車が何台も飛行機の足元に群がって、アリンコみたいにちまちま除雪作業をしているのが見えた。
ところが、それまで雪一つ舞っていなかったのに、搭乗が終わってシートベルトを閉めた途端に、粉雪が窓の外にちらちらと舞い始めた。
千歳空港で雪がトラウマになっている俺ら、「これ、ちゃんと飛ぶよね?」ってちょっとだけ不安に。
これがこの旅最後の不安要素。
幸い雪は大したことなく、飛行機は定刻通りに飛んだ。
そして旅の仕上げはリムジンバスで成田空港へ。
バスの車内でほっと一息。
「本当、何度でもいうけど、一人でだったらここまで無理しないし、できなかったよね」
道中、北斗号で電車移動3時間50分、フェリーで海上移動3時間50分、飛行機で1時間45分、そしてリムジンバスが1時間20分、一度も止まることなく走り続けた爆走ツアーは、こうして無事に終わりを迎えたのです。
ちょっと疲れたかも。




