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まさかこのタイミングで欠航とは!

 窓口にいち早く駆けつけはしたものの、航空会社が飛ばさないと言っているものを俺らがどうにかできるわけもない。

 ただ、欠航が決まったタイミングが遅かった。

 本当に直前になっての欠航である。


「ここまで来たら飛ぶでしょう」と安心していた私たちは、もっと早い時間に欠航が決まっていた人たちに比べて。明らかに出遅れてしまったのである。


 ちなみに窓口で「次にお取りできる一番早い便は14日です」と言われてしまった。

 翌日外せない仕事がある娘は顔面蒼白、今にも泣き出しそうである。


 まず会社に電話して頭を下げ、同僚に電話して謝罪して、スマホであちこちに連絡して何とか少しでも早い便を探そうと足掻く。


 しかしずっとメソメソしているばかりではない。


「決めた、金に物言わせる。奢ってあげるから母さん、付き合って!」


 実は娘、私に似ず金銭管理が素晴らしい。

 社会人としてきちんと働いている身でもあり、スポンサーとしては太くて頼り甲斐がある。


 娘が財布担当、私が頭脳担当、二人いれば何とかなりそうな気がする!

 私は早速、函館空港からの便に切り替えることを提案した。

 実は北海道に実家の実家がある私、苫小牧の方に向かうと雪が少ないことを知っていたからだ。


 それに千歳から函館までは遠い。

 千年が大雪でも函館からなら飛べる可能性は十分にある。


 娘は早速航空券予約サイトを調べ、朝7時台の函館発の飛行機を予約した。

 あとは千歳空港から脱出するのみ!


 空港内はすでに混乱の極みであった。

 なにしろそのあと全ての便が欠航となったのだから。


 ここまで「飛ぶだろう」と信じていたのに、まさかこんな土壇場になっての欠航。

 空港はスマホで検索をする人、あちこちに電話をかける人、今夜の宿を探す人でごった返して暑いくらいだった。


 私と娘はそんな人混みをいち早く抜けて、新千歳行きの電車に乗り込んだ。

 新千歳から函館行きの電車に乗れば、あとは翌日のフライトで帰るだけ……だったはず。

 そう思っていたのに、これがまさか、地獄の幕開けだったなんて……


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