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絶対、逮捕してやるんだからぁ!〜美人エリート刑事は女たらしの新聞記者に翻弄される〜  作者: 名無之権兵衛


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第13話「キ……サッマァ……ッ!!」

 その頃、松立はと言いますと4階の敵を一掃しまして五階へ向かうところ。


 建設中のこのビルには階段が一つしかなく、細心の注意を払いながら一段ずつ上がっていく。


 しかし、そこへ萧巍(シャォウェイ)が上階にいた部下4人を連れてやってきた!


 松立、急いで4階へ引

           き

            返

             す!


 息を潜めて様子を伺う。


 幸いにも5人が松立に気づく気配はありません。


 ですが、それも時間の問題。彼らが倒れている仲間を発見すれば、島中の警備員が駆けつけてくる。松立といえど、そこまでの人数を相手にしたくない。


 彼らが仲間を見つける前に仕留めなければなりません。




 松立はボストンバックから電球ほどの小さなスイッチを取り出す。


 これを集団の一番後ろにいる男に向けて押す————




   ポチャン。




 水漏れしたような音が聞こえる。男は振り返り、銃を構え、そっと4人から離れていく。


 松立、自分の真上の天井に向けてスイッチを押す。




   ポチャン。




 男はどんどん近づいてくる。


 ついには、松立が隠れる柱の目と鼻の先まで迫ってきた。




   ポチャン。




 柱の奥から水漏れを聞いた男は、ゆ——っくりと前に踏み込んだ、


 その瞬間!



 横から松立が現れる。


 男の首を腕で締め付けると、

 柱の影に連れていき、


 グッと力を入れる!




 頸動脈を押さえられた男は、あっという間に白目を剥く。


 まずは、一人。




   * * *




 次に松立が取り出しましたのは、1本の紐。片方に金属片がついたどこにでもある紐です。


 これを金属片がある方で輪っかを作り、カーボーイよろしく回すと、

 ヒューーーン

 と集団の1人の首元めがけて投げる!




 縄の先端の輪っかが男の首にスポリとはまりますと、

 輪がキュッと小さくなり、男の首を締め付ける。


「…………ッ!」


 うめき声を出す暇も与えず松立は天井の梁に縄をかける。


 男は首縄に引っ張られて釣

            り

            上

            げ

            ら

            れ

             る。



 ですが、背後で仲間が吊るされたのです。さすがに萧巍(シャォウェイ)と残り2人も気配を感じ取る。


 振り向いた視界には、今まさに死にゆくある部下の姿。


 必然と狼狽える。




 そのすきに、松立は懐から取り出した針を部下の1人の首元に

    投げる。

     |

     |

     |

     V

 針が「経 穴」に命中すると、部下は何も言わず


  バ

   タリ——


       


 萧巍(シャォウェイ)と最後の部下は互いに顔を見合わせる。


 残ったのは自分たちだけだ。


 俺たちは今まさに、運命共同体になったんだ!


 そんな思いがじわじわと湧き上がってくる。




 そのとき、




 部下の黒目が収縮していくのに萧巍(シャォウェイ)は気づいた。彼とは故郷が近く、飯もともにする間柄でしたが、ここまで恐怖に怯えた目を見るのは初めてでした。




   ————後ろに、気配を感じる。




 振り向くと黒い人影————


 松立和博、萧巍(シャォウェイ)の横を通り過ぎ、最後の部下の腹部にショットガンを押し当てる。




 ドン!




 くぐもった音とともに最後の部下は吹き飛ばされ、床を転がる。


「キ……サッマァ……ッ!!」


 萧巍(シャォウェイ)は喧嘩っぱやい性分でして、陈庆彩(チェンチンツァイ)に報告するよりも前に松立にマシンガンを向ける。


 松立はショットガンの銃身の後端を萧巍(シャォウェイ)の鼻頭にガンッとぶつけると、


 その勢いを使ってガチャンとポンプアクションを行う。


 空薬莢が宙を舞う。


 そいつが地に着く間に、松立は銃を持ち替えて————




   ドン!

   ドン!

   ドン!




 萧巍(シャォウェイ)の胴体にお見舞いする。


 ところが、萧巍(シャォウェイ)は体の丈夫さでここまで上り詰めたような男です。内臓を揺らすような痛みだけでは倒すことができない。歯を剥き出しにして臨戦態勢を維持している。


 一方の松立和博。


 今の3発でショットガンの弾が切れてしまった。再充填している時間はない。


 散弾銃を放り投げると、ボストンバックから取り出したのは




 サブマシンガン。




 もちろん、これも本物ではございません。銃口に強力なスタンガンが装着されていまして、これを萧巍(シャォウェイ)の首に当てますと————




    ビリビリビリビリッ!!




 虎の意識をも飛ばすほどの電流が萧巍(シャォウェイ)の巨体を駆け巡る。


 さすがの黒嶽破軍(ヘイユェポォジュン)もこれに耐えることはできず、


 痙攣しながら

 ドサリ、


     コンクリートの床に倒れました。




   * * *




 階下の騒動に気づいていないのは陈庆彩(チェンチンツァイ)含む6階の面々だけでした。違和感に気づいていた陈庆彩(チェンチンツァイ)も筋はよかったのですが、頭の回転が遅かった。


 まさか黒嶽破軍(ヘイユェポォジュン)萧巍(シャォウェイ)がやられるなんて思っていませんでしたから。


「おぉ、どうだった、シャォウェ……」


 階下から上がってきたのが萧巍(シャォウェイ)だと思ったのでしょう。呑気な声をあげる。


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