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鳥籠に眠る猫   作者: 御羊 藍沙
一章・春告猫は風に乗って
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夢:遊園地

こんな夢を見た。


 そこは、綺羅びやかな遊園地だった。

 ジェットコースターや観覧車、くるくるの回るコーヒーカップ。

 手を引かれながら歩くそこは、幼い頃から何度か連れて行ってもらった遊園地に違いなかった。


 「楽しいね」


 私の左手を引くのは筋張った手だ。いつもは梳きバサミを握る手で、父は私を誘う。


 「此処は、楽しいね」


 私の右手を握るのは、しなやかな優しい手だ。足取りも軽く、母は歩みを進めた。

 キラキラと輝くイルミネーションが、幻想的な楽しげな音楽がどこか懐かしく思える。

 此処に最後に訪れたのは、確か高校入学が決まったお祝いの時のはずだ。


 「ずっと此処に居たいね」


 ちらりと見上げる両親の顔は、弧に歪んだ口元以外はよく見えない。

 頷こうとした私は、ふと足を止める。


 ーー誰の入学祝いだっただろうか?


 疑問符が過った瞬間、イルミネーションが音を立てて消えた。


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