DREAM! 第6幕(裏の顔)
(あらすじ)
亮太とも仲良くなった。
長い序章を終えとうとう本編に突入します。
では、お楽しみください。
そこまで気にしてはいなかった。
まさか、こんな契約が交わされていたなんて
想像も付かなかった・・・。
これは、拓哉が川岸に到着する10分前の出来事。
プルルルル。
一美は、一足先に川岸へ着いていた。
その一美の携帯が大きな音で鳴り響いた。
「どなた?」
携帯を耳元へ持っていって
聞いてみた。
「オレだ・・・内村 力也だ・・・」
「!?あんたから話し掛けてくるなんて中学校以来ね。」
「君と会いたい。例の作戦を実行する。」
「了解。戸野山高校に幸運があると良いわね。」
一美は、その後川岸から歩いて15分ほど先にある内村 力也
と言う男の家に向かった。
力也の家は、立派な建物だ。
ここらでは有名な内村財閥の跡継ぎである力也は、その財力や自身の力で
学校や不良共を押さえつけていた。
けんかもかなり強くとうとう不良の頭にまで
登り詰めた。言えば勝ち組である。
一美が、力也の家まで着くには時間がかかりそうだ。
家に着くまでに力也について話をしておこう。
ー力也の中学生時代ー
「瞬泳の内村選手全国水泳大会予選敗退です!」
テレビから全国にそんな言葉が流れ出た。
力也は、ここ大阪では瞬泳の内村と言われて
県大会クロール100Mで、2位の成績をたたき出した。
だが、世界は広かった。
全県から優秀なスイマーが集まる大舞台では
そんな実績は無駄だった。
実績はあっても
県大会では感じなかったプレッシャーが襲い掛かった。
その敗北から力也は変わった。
不良共と飲み遊ぶ日々。
大会がある日は、権力で
表彰台を独占した。
そして今回も・・・
ー現在ー
一美は、力也の家に上がりこんでいる。
「一美。今シーズンの作戦は、この通りだ。
地区大会に出場する全校に我々のコマを置いてある。
そして、出場選手のデータを盗んで来い!お前のいる高校は
最弱の高校だが油断は禁物だ。」
「はい、はい。」
そう言って立ち去ろうとした一美の手を力也は握った。
「ちょっとやっていくか?」
そう言いながら、ベルトに手をかける。
「・・・・。うん。」
こうして、力也の標的に俺たちの
高校が指名されてしまった。
少しづつ歯車が狂い始めていた。
つづく