表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

DREAM! 第5幕(マラソン勝負編 最終章)

(あらすじ)

とうとう始まったマラソン真剣勝負!

どちらに軍配が上がるのか!?

川の周辺は、丘状おかじょうになっていて

その丘の上からスタートをする10キロマラソン。

(朝起きたときは、ポカポカしてたのに緊張して肌寒いな・・・。)

スタートの線に並びながらつぶやいた。


もう、いつでも「よーいスタート」と言っても

いい状態になってより緊張が増してくる。

ココまでになったら早くスタートをしたいと思うようにも

なってくる。

見学席には、一美の姿が見当たらない。

(トイレにでも行ったかな?)

そこまで気にしてはいなかった。

まさか、こんな契約が交わされていたなんて

想像も付かなかった。

それについては後に話す事になる。


さて、話をレースに戻そう。

2人並んでいる横で笛を持った人が立っている。

笛は、体育の先生が持つような白い笛だ。

笛を持った人は、口に笛を含んで

「よーい・・・・」

ピー

耳が痛くなるような大きな音で

スタートの合図を鳴らして2人は、ゆっくりと

走り出す。

僕も亮太も最初から本気では

体力が、もたない事ぐらいは想像は付いている。

見学席からは、応援の声も聞こえるが

ほとんどが拓哉オレに対する侮辱の言葉だった。

「拓哉~立派に負けろよ~」

「拓哉が負ける試合なんて見る必要ねーよ!」

と、こんな感じの声が多く聞こえた。

恥ずかしくなって

まさしく穴にも入りたい気分になった。


それでも少しづつペースも上げていった。

一美との特訓の成果もあって

自分でも体力は上がったなと思うようになっていた。


前半では、接戦せっせんになった。

追い抜き追い越し

そのたびにおもしろ半分で付いてきている

見学者の応援の声が大きくなる。

だが、すぐに予想済みのことが起きた。

1週間訓練したからと言って相手が悪すぎた。

すぐに体力に差が出てきて息切れも出てきた。

だが亮太は、スタートのときと同じで安定した走りを

見せていた。


差が開く一方で、つまんなくなったのか

付いてきた見学者の数も減ってきている

ことに気がついた。

(まだあきらめないぞ~)

心の中で叫んだ所で体力にも影響は出ない。

それどころか確実に体が悲鳴を上げ始めていた。


それでも折り返し地点を過ぎて残り2~3キロ

と言った所だろう。

訓練のおかげでなんとなく亮太の影が見えるぐらいの

差ですんでいた。

(訓練がなかったら俺は、もっと後ろを走って

いたんだな・・・)

一美の存在がなかったら

訓練は続けられなかっただろう。

一美にも感謝しながら足を進める。


さすがの亮太も疲れがたまってきたのか

ペースが落ちてきた。

まぁ僕も人の事は、言えないのだが。

残り1キロぐらいだろう

ココぐらいになると最後の力を振り絞って

走る距離である。

だが、さっきまで見えていた亮太の姿が見当たらない。

さっきまで見えていたのでおかしいなと思いながら走っていた。


もうほんの何百メートルでゴールと言う

ところで、あることに気がついた。

「地面に何かいる・・・?」

近づいてみると、

「!?」

僕は、目を疑った。

足をパンパンにれさせた亮太が、地面に

倒れていた。

「おい!大丈夫か!」

と叫ぶと亮太から回答が来た。

「俺は・・・まけたくね~よ・・・俺は・・・

まけたくね~よ」

泣きながら返答してきた。

痛さより、今走れないと言うことに泣いていたのだろう。

クールな亮太にもこんな一面があるなんて。

僕は、思った。

本当は、亮太って悪いやつじゃないかもしれない。

他部たぶを侮辱するのもそれだけ自分の部活

を愛している印。

ただ、他の人よりコミュニケーションが苦手なだけで

殴ったり、侮辱と言う方法しかとらないだけであって

本当は、泣きたい時だってある

「ただの人だったんだな。」

最後に心に思った言葉がつい口に出てしまった。


そして、僕は肩を貸した。

亮太を背負ってゴールへ向かう。

「ありがとう。そして・・・・ごめんな。」

それを最後にゴールまで亮太は、何も言わなかった。


ゴールでは、2人のゴールに涙を流していた人もいた。


これが、亮太と仲良くなったときであった。


つづく


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ