DREAM! 第2幕(福島亮太との決闘!)
(あらすじ)
野球部エースの福島亮太は、肩にぶつかったとの理由で
女子に暴力を振るっていた。それに耐え切れなくなって大島 拓哉が・・・・。
「んだ?てめ~!」
と、亮太は荒れた様子で僕に突っかかってきた。
「こんなことして楽しいか?謝っているのに暴力をして恥ずかしくないんか!」
めったに怒らない僕でもこんなところではきれい事でも怒鳴ってしまう。
別にモテたいとかじゃなく平和主義である僕にとっては
こんなやつは、目障りに過ぎない。
「フンッ!綺麗事ばかり並べやがって
センコーのクソ婆にでも頼まれたか!」
予想していたような言葉が返ってきた。
ただ、ココまで来るとバカにされた気持ちになって
ついカッとなって言ってしまった。
「そんなに笑うなら決闘だ!」
「・・・・・。」
辺りが静まり返る。
(け、決闘!?のO太の台詞かコレは・・・?)
と、亮太は心の中でつぶやく。
(えぇぇぇぇ!何言ってんの俺!)
予想外の言葉に周りも二人も固まる。
次に言う話題が見つからない。
だが、最初に口を開いたのは亮太だった。
「い、い、良いだろう。だがそっちから言ったんだから
こっちのルールに従ってもらう。」
「お、おう」
顔から火を噴出しそうな拓哉は、声がかすれてうまく
発音が出来なかった。
「お前何部だ?」
突然亮太が聞いてきた。
「す、水泳部」
「・・・あ、あの廃部しかけの?」
笑い出しそうに下を向きながら言う。
「何がおかしい!」
さっきの恥ずかしさも忘れてカッとなって怒鳴る。
「お、オウ!すまん!じゃあどっちのクラブが優秀か
試させてもらおう!野球ではこっちが有利。水泳ではそっちが有利。
なら公平にマラソンで勝負だ!」
(えっ?えぇぇぇぇぇ)
心の中で泣きたくなった。
なぜなら僕は、水泳以外はダメで特に走りでは
クラスで最下位から5番目ほどだからだ。
それに比べて亮太は、学年でベスト10には必ず入るという。
「コレでも不公平か?なら1週間やろう!その間に特訓でもするんだな!
それか、コレを断るか?」
確かに後ろにいる女子のためにするようなことでも
ないが、今僕の心には怒りが積もっていた。
水泳部を馬鹿にして俺を馬鹿にしてクラスで好き勝手に暴れるコイツを
野放しには出来ない!
「やってやろう!」
「そうか!威勢だけはいいな!よしじゃあ十キロでどうだ!」
「じ、十キロ・・・分かった。」
「まぁ結果は分かってるがな!ワハハハハ!」
と、高笑いをしながら数名の男子は去っていった。
「クソ~バカにしやがって!」
そう言いながら、後ろを振り向くと
この問題の発端である亮太の肩にぶつかった
上宮 一美が、僕の手を握って
「すみません。私のせいで・・・」
今にでも涙が溢れそうな顔をして話した。
僕は、突然手を握られて顔が真っ赤になった。
「いいからっ!手・・・。」
そう言うと、一美はパッと離して二人とも
斜め下を見て赤くなる。
熱でもあるのか?と思うくらい赤くなった。
鼓動が高鳴ってくる。
なぜなら、女の子と手をつなぐなんて何年ぶりだろう。
そう思っているうちにみるみる顔に出てきた。
とにかく時間がない。一週間!僕の高校入って初めての危機に直面した
時だった。
コレが、僕の高校人生を変えることになろうとは
僕でさえまだ知らなかった。
つづく