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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
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百合短編

貴女(あなた)の前での眼鏡姿(めがねすがた)

作者: 転生新語
掲載日:2024/03/26

 私は目(め)が悪(わる)くて、常(つね)に眼鏡(めがね)が欠(か)かせない。そして彼女は、そんな私のことが大好(だいす)きだそうだ。


「眼鏡(めがね)を掛(か)けてる私が好(す)きなの? それとも眼鏡(めがね)が好(す)きなの?」


「貴女(あなた)が好(す)きなのよ。むしろ眼鏡(めがね)を外(はず)してる貴女(あなた)の方(ほう)が魅力的(みりょくてき)かもしれないわ」


 本当(ほんとう)かなぁ、と私は実感(じっかん)が沸(わ)かない。私は眼鏡(めがね)が無(な)いと何(なに)も見(み)えないので、眼鏡(めがね)を外(はず)した自(じ)分(ぶん)の顔(かお)を見(み)たことがないのだ。コンタクトレンズは使(つか)うのが怖(こわ)い。きっと私は生涯(しょうがい)、眼鏡(めがね)だ。


「私の顔(かお)、眼鏡(めがね)を外(はず)したら、どうなってるの? 目(め)が数字(すうじ)の3(さん)みたいになってない?」


 マンガで良(よ)くある描写(びょうしゃ)で、ああいう変(へん)な顔(かお)を彼女に見(み)られてるのではないかと気(き)になった。恋人(こいびと)である彼女には幻滅(げんめつ)されたくないので。


「逆(ぎゃく)よ、逆(ぎゃく)。マンガで言(い)えば、眼鏡(めがね)を外(はず)した瞬間(しゅんかん)、背景(はいけい)に綺麗(きれい)な花(はな)が咲(さ)いて美(び)少(しょう)女(じょ)キャラに変(へん)貌(ぼう)するシーンね。誰(だれ)もが放(ほう)っておかない美(うつく)しさだから安心(あんしん)して」


「本当(ほんとう)に? ……じゃあ私、コンタクトレンズにした方(ほう)がいい?」


 そんなに褒(ほ)められると、ちょっと嬉(うれ)しい。だから提案(ていあん)してみたのだけど、それは嫌(いや)がられた。


「駄目(だめ)よぉ。貴女(あなた)の美(うつく)しさがバレちゃったら、ライバルが増(ふ)えちゃうじゃない。眼鏡(めがね)を外(はず)した顔(かお)は、私以外(いがい)に見(み)せないで」




 私が眼鏡(めがね)を外(はず)すのは、言(い)われた通(とお)り、彼女の前(まえ)だけだ。眼鏡(めがね)を外(はず)した私は、とっても無力(むりょく)で、そして彼女いわく美(び)少(しょう)女(じょ)キャラであるらしかった。


「背徳感(はいとくかん)が凄(すご)いわ。そうよ、その顔(かお)よ。絶対(ぜったい)、他(ほか)の人(ひと)には見(み)せないんだから」


 私は彼女から悪戯(いたずら)される。彼女は私の家庭(かてい)教師(きょうし)だ。私の両親(りょうしん)が家(いえ)に居(い)なくて、二人(ふたり)きりになれる時(じ)間(かん)帯(たい)というのは多(おお)いのだった。最初(さいしょ)に誘(さそ)ったのは私の方(ほう)だから問題(もんだい)ない、ない。


 彼女の行為(こうい)が一段落(いちだんらく)して、やっと眼鏡(めがね)を掛(か)けさせてもらった。私より成熟(せいじゅく)した身体(からだ)が見(み)えて、次(つぎ)は彼女が悪戯(いたずら)される番(ばん)だ。正直(しょうじき)、ずっと私は悪戯(いたずら)されっぱなしでもいいんだけど。


「眼鏡(めがね)だけを身(み)に着(つ)けた美(び)少(しょう)女(じょ)……素敵(すてき)……」


 うっとりと彼女が言(い)う。眼鏡(めがね)があっても無(な)くても私は愛(あい)されるようだった。

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