表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

百合短編

貴女(あなた)の前での眼鏡姿(めがねすがた)

作者: 転生新語

 私は()(わる)くて、(つね)眼鏡(めがね)()かせない。そして彼女は、そんな私のことが大好(だいす)きだそうだ。


眼鏡(めがね)()けてる私が()きなの? それとも眼鏡(めがね)()きなの?」


貴女(あなた)()きなのよ。むしろ眼鏡(めがね)(はず)してる貴女(あなた)(ほう)魅力的(みりょくてき)かもしれないわ」


 本当(ほんとう)かなぁ、と私は実感(じっかん)()かない。私は眼鏡(めがね)()いと(なに)()えないので、眼鏡(めがね)(はず)した()(ぶん)(かお)()たことがないのだ。コンタクトレンズは使(つか)うのが(こわ)い。きっと私は生涯(しょうがい)眼鏡(めがね)だ。


「私の(かお)眼鏡(めがね)(はず)したら、どうなってるの? ()数字(すうじ)(さん)みたいになってない?」


 マンガで()くある描写(びょうしゃ)で、ああいう(へん)(かお)を彼女に()られてるのではないかと()になった。恋人(こいびと)である彼女には幻滅(げんめつ)されたくないので。


(ぎゃく)よ、(ぎゃく)。マンガで()えば、眼鏡(めがね)(はず)した瞬間(しゅんかん)背景(はいけい)綺麗(きれい)(はな)()いて()(しょう)(じょ)キャラに(へん)(ぼう)するシーンね。(だれ)もが(ほう)っておかない(うつく)しさだから安心(あんしん)して」


本当(ほんとう)に? ……じゃあ私、コンタクトレンズにした(ほう)がいい?」


 そんなに()められると、ちょっと(うれ)しい。だから提案(ていあん)してみたのだけど、それは(いや)がられた。


駄目(だめ)よぉ。貴女(あなた)(うつく)しさがバレちゃったら、ライバルが()えちゃうじゃない。眼鏡(めがね)(はず)した(かお)は、私以外(いがい)()せないで」




 私が眼鏡(めがね)(はず)すのは、()われた(とお)り、彼女の(まえ)だけだ。眼鏡(めがね)(はず)した私は、とっても無力(むりょく)で、そして彼女いわく()(しょう)(じょ)キャラであるらしかった。


背徳感(はいとくかん)(すご)いわ。そうよ、その(かお)よ。絶対(ぜったい)(ほか)(ひと)には()せないんだから」


 私は彼女から悪戯(いたずら)される。彼女は私の家庭(かてい)教師(きょうし)だ。私の両親(りょうしん)(いえ)()なくて、二人(ふたり)きりになれる()(かん)(たい)というのは(おお)いのだった。最初(さいしょ)(さそ)ったのは私の(ほう)だから問題(もんだい)ない、ない。


 彼女の行為(こうい)一段落(いちだんらく)して、やっと眼鏡(めがね)()けさせてもらった。私より成熟(せいじゅく)した身体(からだ)()えて、(つぎ)は彼女が悪戯(いたずら)される(ばん)だ。正直(しょうじき)、ずっと私は悪戯(いたずら)されっぱなしでもいいんだけど。


眼鏡(めがね)だけを()()けた()(しょう)(じょ)……素敵(すてき)……」


 うっとりと彼女が()う。眼鏡(めがね)があっても()くても私は(あい)されるようだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ