割と真面目に国家紹介 黒エルフ皇国編
人口 約1億人 国内に多数奴隷有り。
国家体制 元老院を持つ共和制。トップは執政官。
国家予算 一兆円程度?
・概要
東方大陸における唯一のエルフ民族国家。
立場的にはビーストバニア獣人国と同じ、この国が亡べばエルフたちの逃げ場はなく種族の滅亡となっている。
とはいっても、ビーストバニア獣人国と違い、強大な国力を持つためそれほど追い込まれているわけではない。
この国を構成する種族はダークエルフであり、西方大陸に存在する本家エルフと比べると、魔法能力は一段落ちるとされる。
しかし、一般的な人間と比較すると優れており、科学技術の未発達なこの世界においては周辺国に対し一段上の能力を持っていると言えるだろう。
国土的には恵まれず、西にビーストバニア獣人国、東にアルバトロス連合王国、北に大天モルロ帝国と三方向を敵国に囲まれている。
また、大和帝国転移後は南の海からも脅威にさらされることになる。
この四方を敵に包囲された状況こそが、最も優れた国力を持つエルフ国家がこの大陸の覇権を握っていない最大の要因でもある。
・文化、宗教
極度のエルフ崇拝、エルフ主義を抱いている。また、魔法技術の絶対性を信じ、科学をそれほど重んじていない。
厄介なことに、この国のエルフ主義はどこぞの獣人国家の獣人主義と違い純粋なプライドのためのエルフ主義である。
獣人は「どうあがいても勝ち目はない」「無駄死にするだけ」としっかり教えて理解させれば、その主義主張を変える可能性が残っている。
しかし、エルフは命がかかっても、主義を変えない可能性が極めて高いだろう。
最も先進的な国を自称し、王政ではなく元老院による共和制を布いている。
民主主義のような気もするがそうではない。
元老院議員は長い時間の中で貴族化し、実質的には貴族による議会制国家となっていると言える。
・経済、技術
三方向を敵に囲まれているという都合上、軍事技術は極めて優れており、中世国家規模を一段上回る。
魔法を用いることができるダークエルフによる戦列歩兵はきわめて強力で、大天モルロ帝国のオオトカゲを除くありとあらゆる国家の軍勢を吹き飛ばすことができる。
一方、それ以外の技術も建築技術などを中心に進んでおり、大きな都市になると荘厳な魔法建築が立ち並んでいる。
この国で発展しているのは、とにかく「見栄えがいい分野」である。
建築とか、軍事とか、一目で「あっ、この国発展してそう!」と思える分野は、エルフの見栄を張りたい精神の下、積極的に研究、開発されている。
見栄えばかり気にするところをだけを見ると、北朝鮮みたいな国家体制なのかもしれない。
全体的に見ればまだまだ未発達な部分も多く、見えないところでは中世、良くても近世レベルの技術力を超えない。
当然、産業革命後のような大量生産などはまだ行われていない。国民の生活レベルは低く、個人の魔法だよりのところが大きいだろう。
経済に関しては、さらに劣っておりそれほど優れていない。
三方向を敵に囲まれているため、経済発展を行うだけの余力に欠けており、中央部を除いて比較的貧しいものが多くなっている。
・軍事
魔法に優れる種族エルフの人口における魔法使用者の割合は人間の10倍である。人間はおよそ100人に一人魔法を使えると言った割合なので、彼らの場合10人に一人が魔法を使えることになる。
この優れた魔法使用率を用い、魔法を使うことができるもののみで戦列を作り猛烈な魔法射撃を浴びせるというのが彼らの基本戦術である。
この威力は、近世におけるマスケット銃を装備した戦列歩兵と同等、もしくはそれ以上であり、中世レベルのこの世界においてほぼ最強であると言える。
平地で真正面から同等の兵力で戦えば、まず負けることはないだろう。魔法を弾き返しながら突撃するモルロ帝国のオオトカゲとか、大和帝国の近代兵器を除いては……。
一方、アルバトロス連合王国のように希少な魔法使い戦力を重騎兵として運用すると言った運用思想には「魔法弾幕射撃の標的になる可能性が高い」と懐疑的。
対抗上、最低限重騎兵として整備しているが、人間と互角程度の兵力しか用意していない。
動員兵力は今のところ10万人程度。人口は多いがやっぱりインフラの限界からこの辺りが限界のようだ。
ただ、一度の動員兵力の限界がこの数字なので、実際に戦争するとなると次から次に徴兵して新兵力を投入してくるだろう。
・外交
全方位敵対外交。大和帝国とも友好関係を結ぶ気は一切ない。
また、エルフこそが絶対的な優位種であり、その他は劣等種族。エルフのための奴隷になるべき存在であると確信しており、周辺国に小規模な侵攻を行っては奴隷狩りに勤しんでいる。
エルフの優れた魔法能力もあり、遠征は連戦連勝。周辺国からは、よくあるファンタジー国家の魔王軍のように恐れられている。
ただし、大天モルロ帝国にだけは話が別。
オオトカゲには魔法がろくに通じないので返り討ちに会う模様。むしろ、定期的にトカゲの餌になってくれるありがたい存在と言う風に思われている。