割と真面目に国家紹介 ビーストバニア獣人国編
人口 1000万人
人口比 獣人900万人 半獣人奴隷100万人
国家体制 多民族国家、ライオン族による王政。
国家予算 500億円程度?
・概要
東方大陸西部、ビーストバニア半島に存在する国家。四方のほとんどを海に囲まれているが、東部のみ黒エルフ皇国と接している。
バルカ海を渡って北に向かえばバルカ王国が存在しているが……例によって交流はほとんどない。
てか、そもそも外洋航行できる船を持っていない。
国土の広さはアラスカほどだが、人口は1000万人とそれほど多くはない。ちなみに同じくらいの広さのバルカ王国の人口は4000万人である。
なぜこれほど人口が少ないのかと言うと単純に貧しい国だからである、以上。
この世界で唯一の獣人国家。そのため、自分たちが滅べば獣人は落ち延びる先が無いと、基本的に背水の陣状態。
国内は獣人至上主義で溢れかえり、ナショナリズムは爆発寸前。
このおかげで、ライオンやらキツネやらクマやらの多種多様な獣人たちがまとまることができているのだ。
国内は典型的な多民族国家の様相を呈しており、若干混沌としているが百獣の王ライオンの威光を持つライオン族の力により、一応はまとまっている。
・文化、宗教
ビーストバニア獣人国の歴史は浅く、宗教などは存在しない。
ただし、自分たちは世界で唯一の獣人国家であることを認識しているらしく、極めて高い獣人主義的な思想が見られる。
獣人は魔法が使えないことから歴史的に奴隷にされてきたこともこの思想に強い影響を与えていると思われる。
ただ、あくまで他国の攻撃を弾き返すためにナショナリズムを高める必要があるため、このような思想になっているだけで、命の危機が目の前に迫ると獣人主義も何もかも投げ捨てる傾向がある。
この辺は獣的と言うか、強い者には屈するというか……うん。
この点では、獣人は冷静で賢い生き物なのかもしれない。生き残るために獣人主義になっているだけだから、死にそうになったのならその主義を守る必要はない、的な?
人間やエルフといった他種族からの攻撃から生き残るために戦闘能力が高い物が優遇される傾向がある。
ライオン族を始め大型ネコ科動物系の獣人は高い地位に存在し、逆に戦闘能力の低い小型草食動物系は低い立場にいる。
この戦闘力至上主義的な思考から百獣の王ライオンは全ての種族の頂点に立つと考えられ、それが王権を握る大義名分になっている。
・経済、技術
獣人は魔法が使えない。
と言うことで、国内に魔法が完全に存在しないことから真っ当に中世初期をやっている……と、思わるが実際にはもっとひどい状態である。
獣人たちの手の大半は肉球型であり、器用なことができない。そのため、鍛冶屋や大工と言った技術者は人口の割に極めて低く、少数の半獣人奴隷に頼っている有様である。
ビーストバニア戦争後は、この半獣人が分離独立したことからこの状況はさらに悪化する。
国内産業はほとんど壊滅、服を始めとした何らかの加工が必要な工業製品は簡易なものであっても輸入に頼ることになるだろう。
これまでは戦闘向きではなく軽んじられていた猿系の獣人が、手先の器用さから唯一生産活動に携われる種族としてその価値を急上昇させることはまず間違いない。
経済に関しても、元々基本的な生産活動が低調であることから伸び悩み、世界で最も貧しい国の一つであった。
この傾向が、半獣人の独立でさらに進むことになり、戦後賠償も含め獣人は厳しい時期を迎えることになる。
・軍事
各地に族長が存在し、それらが兵を集め王の下に集結するという典型的な中世の動員体制を取っている。
そのため何をするにしても初動が遅く、国土面積の広さもあって情報が行き渡るまでに数週間かかることも珍しくない。
近代国家と戦えば準備が整う前に蹂躙されかねない国防体制である。
実際に、大和帝国との戦いでは兵が動員され、戦場に到着するまで数か月かかっている。
こんな状況で大丈夫か? と疑問に思うかもしれないが、案外大丈夫である。てか、普通に他国もこんな動員体制なので困らない。
それに、黒エルフ皇国との国境線付近には百戦錬磨のオオカミ族常備軍が5000人ほどの兵力だが存在しており、彼らの持つ城塞都市と合わされば国境防御は可能。
海の向こうから突然大軍が上陸してくるとかいう訳の分からない状況にならない限りは最低限の国防ができるようになっているのだ。
使用される兵器は、剣や槍と言った原始的なものであり、それは部族によって異なる。
さらに言えば、部族内でも装備の統一化は出来ておらず、それぞれの兵士や族長が有り合わせの武器を用意して立ち向かっているようなものである。
装備だけ見てみれば、ほぼ山賊と言っても過言ではない。
さらに、この国には「獣に獣が乗れるか!」と言う理由で騎兵が存在しない。
これらの事から、この世界で最弱級の軍隊であることに間違いはない。……が、しかし、国内のナショナリズムそのものが強力な免疫作用を有しており、外敵からの攻撃を防いでいる。
まあ、下手に手を出せば全国民が死ぬまでゲリラ化すると考えれば、手を出したくないのも理解できるだろう。
動員兵力は、補給の観点から多くても10万。補給困難になる辺境の国境地帯での戦争になると5万程度が限界であると思われる。
ただし、攻撃を仕掛ければ民間人が一斉にゲリラ化するので実際の兵力はこれ以上になる。
・外交関係
バルカ同様周辺を敵対国家に囲まれているため、友好国どころか国交を持つ国自体がこれと言って存在していない。
ビーストバニア戦争に敗戦して以降は大和帝国、エリュサレム半獣人国とある程度の友好関係を結んでいる模様。
また、大和帝国経由だが人間国家たちと最低限の国交を結ぶことになった。
隣国の黒エルフ皇国とは、犬猿の仲を通り越した関係。
先ほども言ったナショナリズムのおかげで全面戦争こそ発生していないが、小規模な軍事衝突は日常。
互いの領土を蛮族的に侵犯し合い、常に奴隷狩りや略奪を行っている。