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 翌日、北条城。


安田景元「高広。急に呼び出しておいて何の用だ?」


 安田景元は越後安田氏当主で現安田城城主。北条高広とは兄弟の関係。ただ彼らは共に安田広春の養子であり3者に血の繋がりは無い。養父広春の死後、広春が当主を務めていた2つの家。北条と安田をそれぞれ相続し現在に至っている。


北条高広「これを見てください。」

安田景元「どれどれ……。ん!?これは武田からの書状ではないか!」

北条高広「そうだ。」

安田景元「お前。これをほかのものは見ていないよな?」

北条高広「勿論兄上以外誰にも見せてはおりません。」

安田景元「これでは内容がわからぬが……『詳しいことは山本勘助が口上する。』と書かれているが……。」


 山本勘助は武田晴信の家臣。長年諸国を遍歴し、近年は今川家重臣朝日奈信置を通し今川義元への仕官を試みるも数多のいくさの影響で身体に不自由なところがあり採用されず9年もの月日。駿河での牢人生活を余儀なくされていました。そんな彼に目を付けたのが甲斐の国主武田晴信の重臣板垣信方。彼の紹介により晴信との目通りが叶った勘助は、そこで晴信と意気投合。信濃各地のいくさで活躍し、今は足軽大将として活躍している人物。


北条高広「山本殿は私に『我ら武田と共に憎き長尾景虎を成敗したい。』と言って来ました。」

安田景元「殿を成敗!?」

北条高広「ざっくり言いますと『長尾景虎の父為景は元々国人の身分でありながら守護である上杉を蔑ろにした挙句越後を乗っ取った悪逆非道な人物。それに輪を掛けたのが息子の景虎。彼は長尾を継いだ兄晴景に無能の烙印を押し隠居に追い込んだばかりか自らが当主に座につくなど厚顔無恥ぶりを発揮している。このような人物をこのまま越後に君臨していては、今後。自分の地位を維持するために邪魔となる国内勢力を言われなき理由を付けては抹殺。こじつけは抹殺を繰り返すことが目に見えています。』」

安田景元「はぁ。」

北条高広「『現在私共武田は、信濃を平定しています。加えて(武田と)境を為している北条氏康と今川義元とは3者で同盟を結んでいます。甲斐と信濃は安定しています。いつでも越後に兵を動かすことが出来る状況にあります。ただ晴信には景虎のような越後を我が物にする野心はこれっぽちもありません。ただ越後の危機を救いたい。その一心のみであります。そのためには越後の新たな顔となる人物を見つけなければなりません。今回、その候補者が決まりました。』」

安田景元「もしかして……。」

北条高広「『北条高広。あなた様であります。』」

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