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献身☆幼女マルゴレッタちゃん奮闘す!!  作者: おにぎり(株)
三章
30/31

おいでませ!アルディオスの森へ!!マルゴレッタちゃんとルカちゃん編1

「えへへ、なんやかんやと色々ありまして、攫ってきたっす〜〜」


「えへへ、攫われちゃったでち〜〜」


 仲良く抱き合いながら、はにかむマルゴレッタとキキ。

 ドグラは、そんな二人の仕草に、目を点にし、大口を開けたまま固まっていた。

 まるで、狐につままれるような気分。

 震える指先で幼女を指差し、なんとか声を振り絞る。


「ど、どういう事じゃ、キキ。何故、人形狂いがここにおる……。いや……いや、違うな。顔はそっくりじゃが、明らかに雰囲気や纏っととる魔力の質が変わっとる……。この幼子は一体……」


 頭を振りながら、まるで理解が追いつかない。そんな表情を浮かべるドグラの元に、とてとてと無遠慮に近付く幼女。


「初めましてでち! わたち、マルゴレッタ六歳でち! マルゴレッタ救援隊隊長やらせて貰ってますでちっ!!」


 ビシッと額に手を当て敬礼をとる幼女の愛らしい姿に、思わず目尻を下げ表情を蕩けさせるラムザ。


「ほっほ〜。きちんと挨拶が出来て、偉い子じゃの〜。わしは、ラムザ。しがないただのじじいじゃよ〜。よろしくの〜」


「きししし。だらしない顔っすね〜。マルゴレッタちゃんにかかれば、"剣鬼ラムザ"も形無しっす」


「や、やかましい!」


 ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを向ける仲間の姿に、ラムザは顔を真っ赤に染めてがなり付けた。


「年寄りを冷やかすもんじゃないわい。……で、本当のところ、この幼子は一体何者なんじゃ?」


「彼女は、アルディオスのご令嬢っす。そんで、神の御子様、天使様っす」


「…………ふぅ、年は取りたくないもんじゃ。耳が遠くなっていかん。で、この幼子はーー」

「いやいや、聞こえない振りしてもダメっすよ」


 洞窟内で、なんともいえない微妙な間が、二人のあいだに漂う。


「……マジか?」

「マジっす。マルゴレッタちゃん、さっき話した通り、この爺さまの腕と、そこに寝ている子を治して貰っていいっすか?」


「あば〜。お爺ちゃんと、そこで苦しそうにしている子でちね? 了解でち!」


 マルゴレッタは両の手を組み、体内の魔力を練り上げ、祈りを捧げる。

 洞窟の入り口から、強烈な虹色の光が漏れ出し、瞬く間にその光が収束した。






「……まさに神の御技じゃぁ」


 動くようになった左腕と奇跡の体現者を交互に見やるラムザ。そして、ルカの状態を確認するキキは、安らかな吐息を吐く少年の姿に感謝と感嘆の言葉をこぼした。


「……やっぱ、すげぇっす。ルカっちの体調も良くなってるし、消失したはずの目玉も綺麗に元通りっす。マルゴレッタちゃん、本当にありがとうなんっすよ」


「えへへ、わたちは当然の事をしたまででちよ〜」


 そう言いながら、マルゴレッタは、ルカの顔をまじまじと覗き込んでいた。

 この洞窟に入った瞬間から、彼の事が気になって仕方なかったのだ。


「ん〜? マルゴレッタちゃん、ルカっちの顔なんかじっと見てどうしたんすっか?」


「あば〜。この子、ルカちゃんって言うんでちか? わたち、なんだかルカちゃんの事が気になって、胸がドキドキというかモヤモヤっとするんでちよね〜」


 まるで言葉では言い表せない、ルカに対して()()()()()()()()()()()()()()をマルゴレッタは感じていた。


「あら〜〜。マルゴレッタちゃんは、おませさんっすね。ルカっちにホの字っすか? 確かにみてくれだけは一級品っすからね〜」


「わたちがルカちゃんに、ホの字でちか? そんな事有り得ないでちよ〜」


 キキの冷やかしに、マルゴレッタはぺたぺたと無造作にルカの体を触りだし、最後に股間の方へと手を触れた。

 感触がない事に、幼女は満足するようにウンウンと頷く。


「あば〜。やっぱりルカちゃんは女の子でち。わたち、女の子には興味ないでちよ〜?」


 マルゴレッタの感じた見立て通り、ルカは男の子ではなく、女の子であった。


「……なんと大胆な確認の仕方っすか。てか、良く気付いたっすね〜。ルカっちって男の子みたいな顔立ちをしてるっすから、見た目だけでバレた事なんて殆ど無いんっすけどねぇ」


「ふふ〜ん。女の勘でち」


 何故か、出来る大人な女の雰囲気を醸し出す幼女。

 そんな背伸びをしたマルゴレッタの姿に、キキは苦笑いを浮かべた。


「……うぅ……こ、ここは、どこ?」


「お! ルカっち、お目覚めっすか?」


 むくりと上体を起こし、寝起きの様な表情を見せるルカの目の前に差し伸べられる手。

 寝ぼけ眼で、キキの手だと視認すると、その手を掴んだ。そのまま、体を引っ張り上げられキキの体に、その身を預けるルカ。


「キキ……。僕、凄く酷い夢をみたよ。バケモノじみた女が、バーゼル兵の人達を皆殺しにして、ドグラも殺してしまうんだ……。それで、僕の両目も…………あれ?」


「ルカっち、気付いたっすか? それは夢じゃないっす。現実に起きた事っすよ」


「そ、そうだよ! あれは夢なんかじゃない!! で、でもおかしいよ……。僕は、あの時、両目を奪われた筈なのに、目が見える……。キキが見えるよ! 一体、どういう事なの?」


「感謝せいよルカ。お前さんの目を癒してくれたのは、ここにおる神の御子様のおかげじゃ」


 キキに抱きついたまま、少し視界をずらすと、すぐ側で笑顔を湛えたマルゴレッタの姿があった。

 瞬間、 ルカは全身の血が沸騰する様な怒りと、心の奥底から湧き出る殺意の衝動のまま、マルゴレッタに襲いかかろうとした。

 だが、その寸前でキキとラムザに取り押さえられ、その行動は阻止される。


「キキ、離してっ! ドグラを殺したそいつを殺せない!!」

「だっーーーーっ!! 落ち着くっす! 信じられないかもしれないっすけど、あの子は、人形狂いなんかじゃないっすよ!! ルカっちの目を治してくれた正真正銘、神の御子様なんっすよ!!」

「キキ、お前のさんの悪い癖じゃ! 少し冷静に物事を判断せい!!」

「五月蝿いっっ!!!」


 怒りのまま暴れ、押さえ込む仲間達を振り払おうとするルカ。

 憎しみに塗れた表情を見せる、その幼い少女の姿は、マルゴレッタの心に深いキズを負わせた。

 ふるふると体を震わせ、絞るように言葉を紡ぐ幼女。


「ルカちゃん、わたちの家族のせいで、酷い目に合わせてごめんなさいでち……。わたちが出来る償いなら、なんでもーー」


「「……あ」」


 力任せに振り解かれる右腕。

 ルカの拳が、マルゴレッタの顔面に直撃した。


「返せ……。僕の仲間を……ドグラの命を返せっっ!!!」


 少女の悲痛な叫びと震える右腕。

 拳からつたう赤い血が、ぽたり、ぽたりと地面に溢れ落ちたーー

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!




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