異世界転生
私はベッドに横たわり、最期の時を待っていた。誰かが看取ってくれるわけでもなく、ただ病院のベッドに横たわっている。
こんな人生も悪くはなかった。
そう思える人生だったと思う。大好きな科学を発展させ続け、そのために家族すらも捨てた。妻子もおらず、晩年は独りだった。
ただ……
もし次の人生があるのだとしたら、そこでは大切な人を見つけて、最期を寂しく迎えることはないようにしたい。
そう思ったのを最後に、私の意識は深い闇の中へと沈んでいった。
目が覚めるとそこは薄暗い部屋だった。起き上がってあたりを見回そうとして、妙に頭が重いことに気がつく。
「おぉあおぉあ?」
「ここはどこだ」と言おうとしたにも関わらず、「あーお」のような声しか出ないことに驚く。
目だけを動かして周りを見る。明らかに文明の水準が低いように見える。プラスチックのような物すら見当たらない。にも関わらず部屋も綺麗で、ぱっと見たところ少し古い家のようにも見えてくる。
ここはどこなのだろう。と深く考えようとしたところで強烈な睡魔に襲われ、私の意識は沈んでいった。
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