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03 無いなんて聞いてない!

あ、れ……?

いつ寝ちゃったんだっけ。


瞼をパチパチと瞬かせ、ぼんやりと身体を起こした私は

そうだ。

私、色々と思い出しちゃったんだよな。


コンコンと扉をノックする音が響く。

「失礼します」と入室を告げる声と共に、侍女がやってきた。


「お嬢様、起きられていたんですね。またレディには似つかわしくない遊びをしていたとお聞きしましたよ」

お小言を言いながら近づいてきたのは、私付きの侍女のミリアだった。


ティーセットを載せたカートを押しながら、「お茶の時間ですが、いかが致しましょうか」と訊ねる彼女に、喉がカラカラだったことに気付く。


寝起きだし、お茶と甘いものを摂取しながらまた考えるか……。

糖分を入れなきゃ頭も回らないし。


「ありがとう、ミリア。ぜひお願いしたいわ」

にこりと微笑みながら快諾する私に、ミリアも慣れた手つきで準備し始める。


そういや私、コーヒーより紅茶党だったんだよな。

本当はコーヒーのが考えるには向いているかもだけど、なかなか慣れなかったんだよなぁ。


「お嬢様、お待たせいたしました」

ぼんやりしているうちに、用意が整ったことを告げられる。


さて、糖分とるぞ!


「え、なにこれ」

「どうなされましたか?」

思わず口から零れた呟きに、ミリアから疑問の声が上がる。


だってなんかふわふわしてない。

ダークマターじゃん。


お茶と一緒に供されたのは、固そうな茶色いかたまりだったのだ。

もちろんクッキーやサブレみたいな、サクッと音がしそうなものじゃない。

絶対これ、ゴリッて音するやつじゃん。


「ミリア、ミリアこれ……なに?」

「何ってカルメですよ? いつもと変わらないじゃないですか?」



ああ……、思い出した。

むしろ何で思い出しちゃったんだ私。


この国は、材料はあるのに何故か技術は発達せず、ゲームみたいなキラキラしたお菓子は存在しない。


スイーツ偏差値が最っ低な国だった…!




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