ブルツ・アリス学園(1)
【2】
魔術。それは〝一番新しい法則〟。
高度な情報と数多の可能性を秘めた〝奇跡の宝庫〟でありながら、老若男女すべてが等しく持ち得る技術知識として多種多様な応用を望めるので、それを学術の柱に加えることはもはや常識的な理屈となっていた。
例えば。こういう言葉がある。
魔術とは――
重い金属鎧のように物々しい備えではなく、個性を表す服飾ほど虚飾に移ろわない。ただの特別な皮膚。故に万物の源と成り得る本能に等しき可能性。そういったものだ。
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そしてここはブルツ・アリス学園・魔導補。
ブルツ・アリスはこの街の名前。主に観光業を基盤として形成された繁華街と商業地区、そして沿線がもたらした工業を繋ぐ栄えた町である。
学園とは区別及び施設名。どこにでもある各種族の中から養成適齢期の者が集う、一般的な意味で社会に準じる教育制度となる機関。この場合の学校に対しての学園とは教育以外の課程が内部に認められており、それが単位制度に組み込まれていることを意味する。
そして魔導補は授業内容に魔術教養を付属している、ということである。ちなみにこれが魔術学を主体とするならば、魔導学園の名称をとる。
つまりブルツ・アリス学園とは、どこにでもある一般的な公的教育施設である。
2020/10/19【修正】誤字修正。原稿用紙設定変更。あと章を分割しました。
2017/06/19【投稿】当時は投稿ログを残していなかったのでログ追加。