表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキのありすぎる妖精サマと私  作者: 姫宮煌輝
8/13

08 スキだらけのおしおき

 私は、指先から(・・・・)飛び出した(・・・・・)透明な糸を消失させると同時に、それに囚われていた妖精サマを捕まえた。


「た、た、助けて~!!」

「……ちょっとお話を聞きましょうか、妖精サマ(にっこり)」


 妖精サマを見つめながら微笑んだら、ものすごい怯えられた。狙ってやっているのだけれど、少し傷つくなぁ。


 私はカバンの中に常備していた、小さなポーチの中に妖精サマをポイッ。そのまま残りの授業を受け、放課後に帰宅した。


 家に着いて、昔飼っていたインコを入れていた鳥籠を、物置から引っ張りだし、軽く水洗いして布で拭き取ったあと、ポーチから妖精サマを出して、鳥籠の中にリバースした。


「ちょっ、カナ! 妖精虐待ですわ!! なんてことをするんですの!? このわたくしに――ひっ……!」


 私は鳥籠の檻の金属を掴んでガタガタ揺らす妖精サマを静かな笑みを浮かべながら睨み付ける。


「まーいつかは我慢出来なくなって約束を破られるとは思っていましたけれどね。……まさか数時間で破られるとは思ってもいませんでしたよ」

「うっ、あのっ、そのっ……ごめんさないぃ!!」

「黙りなさい!」

「ひうっ!?」

「反省するまでおしおきです。しばらくその鳥籠の中で過ごしなさい」

「な、なんで私がっ……!!」

「……約束を守ることも知らない、世間知らずのお姫様に教育です」


 完全に恐怖と反省で震えている妖精サマを睨むふり(・・)を続けながら、辛辣な言葉を投げつける。


(これくらいしないと、また次に何かあるだろうし)


 目の端に大粒の涙を浮かべ、必死に許しを乞う妖精サマ。……正直、ものすごく可愛くて、今すぐ取り出してほっぺすりすりをかましたいところだけれど、グッと堪えて我慢する。


 そのまま頑張って机に向かい、妖精サマのせいで上の空だった授業の復習をする。


 ……ガタガタガタガタ。許してぇ。ガタガタガタガタ。お願いします、私が悪かったの! ガタガタガタガタ。ガタガタガタガタ。ガタガタガタガ――――


「あ”ーもう五月蝿い!! 捨てるぞ!!」


 ――――シンッ。……………………ぐすっ、ひっく、ぐすっ。ふえぇぇ……。


 あっ、ヤバい。やり過ぎたかも?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ