03 ニンゲンとの出会い
全く、そんな馬鹿を見るような目で私を見ないで頂きたいですわね!
私は妖精の里の長の娘なのですわ!
…………ただいつも通り遊んでいただけですのに。どうしてこうなってしまったのでしょうか。
あの後ニンゲンに、私の羽の早さでは、十年かけても里まで帰れないと言われ、ショックを隠しきれません。
お父様とお母様に十年も会えないなんて、耐えられませんわ!!
ニンゲンは私と同じ、17歳だそうで、コーコーセイという職業に就いているらしいですわ。勉学を主にする仕事だそうです。里の学舎と同じ事ですわね。
そのニンゲンが通う、ガッコーというところが、あと一月ばかりで長いお休みに入るそうなので、お休みになったら、私を里まで連れていってくれるらしいですわ!
親切なニンゲンですこと。私の裸を見たことを不問にします、と言ったら、別に女同士なんだから、気にすることないじゃん。と言われました。
……そういうものなのでしょうか? 世間の事をあまり知らないので、そう言うのであれば、そうなのかもしれませんわね。
今はニンゲンの家に住まわせてもらう事になって、ニンゲンにつれられてそこへと向かっている最中です。
ちょっと心細いですけれど、冒険だと思えば寂しさも吹き飛ばせますわ!
…………お父様、お母様、少しだけ会えませんけれど、私は元気にしていますわ。早く会いたいです。