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スキのありすぎる妖精サマと私  作者: 姫宮煌輝
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02 スキだらけの出会い

ボーゼンとしながら花びらを元に戻し、立ち尽くした。


「なんでこんなところに妖精がいるのさ……」


独り言を言っても解決しない。


妖精。

姿形は人間と全く変わらず、人間と同じような生活を送る、体長12cmほどの小さな存在。

おとぎ話とかによく出てくるあの妖精だ。


さっきの妖精は、見た感じ私と同じくらいの年齢のようだった。


と、花びらをめくって、大きなドレスを身につけた妖精が出てきた。花の側に立つ私を見て驚いたようだったけれど、私は気になる事があって無視をする。


「きゃっ、ニンゲン、まだここに居たの?」

「…………なんでこんなところに居るの?」

「質問に質問を返さないで下さる?」

「あっ、スミマセン。で、なんでこんなところに妖精が居るの?」

「妖精様と呼びなさい! ニンゲンの分際で、生意気ですわ!」

「そうですか、妖精サマ。で、なんでここに?」

「……っ、ま、まあ良いでしょう。私は寛大ですから。…………別に、迷子になったとか、心細いとか、そんなんじゃないのですわっ!」


あ、そー。迷子になったのね。迷子に。


「って、そんなわけあるか! どうやったらここにたどり着いたの!? 一体妖精の里からどれだけ離れてると思ってますかね、妖精サマ?」

「えっ……?」


えっ? じゃないよ!! と頭を抱えたまま、分からず屋の妖精サマに丁寧に説明をする。


「あのねぇ、ここは日本、っていう島国なの。それは分かる?」

「いいえ」

「うん、だよね…………。とにかく、妖精サマの暮らす妖精の里があるのはイギリス。これもわかる?」

「いいえ」

「ですよねー」


そう。妖精の里はイギリスの湖水地方にあるのだ。

だから迷子になってもこんなとろこにたどり着くなんて有り得ない。


「じゃあ聞くけど、どうやってここまで来たの? 妖精の里を出てから」

「……私はただ、親衛隊の護衛を巻く遊びが楽しかったから、いつも通りそれをやっていただけですわ」


ポツリポツリと話始めた妖精サマ。

聞くと、この妖精サマは本当に妖精のお姫様らしく、ずっとお城にいることがつまらなくて、いつも護衛についている親衛隊を相手に、(一方的な)かくれんぼをして遊んでいたと言う。


……親衛隊からしてみれば、なんと心臓に悪い。


ともかく、いつも通り撒いていたら、気づいたら大きなニンゲンの建物にたどり着いていたそうな。

そのまま好奇心の赴くまま探検していたら、細長くて丸い物に入ったそうだ。そこにはニンゲンが大勢乗っていて、均等に並べられた椅子に座っていたという。


そしてなんか耳が痛いな、と思って窓の外を見たら、雲の上だったらしい。


……それきっと飛行機じゃん。どうして空港にたどり着いたし。


妖精は雲の上まで普段飛べないから、飽きることなくずっと窓から外を見ていたらしい。そして気づいたら地上に降りていて、そのまま外へ出てブラブラ探検していたら、この場所を見つけて妖精パワーで大きな花を出して、夜を越したという。

そして朝、つまり今朝になって、体を洗っていない事に気づいて、朝露を利用して体を清めていたそうだ。

そして今に至る、と。


…………なにその冒険記。本にできるんじゃない?


私が妖精サマの話を聞いて、まず初めに考えたことがそれだった。

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